介風見聞錄

台北に暮らす「介(すけ)」のあることないこと。

【台湾ファミマ】鼎泰豐コラボ弁当食べてみた

介風見聞録にお越しいただき、有り難うございます。介(すけ)です。

「全家就是你家」(ファミマはあなたの家)のキャッチコピーでおなじみの台湾ファミマ。9月9日から台湾人だけでなく日本人にも大人気「鼎泰豐」とのコラボ弁当を販売しています。3種類出ているのですが、この度試してみましたので独断と偏見ながら感想をお伝えします。

【ポイントは鼎泰豐のシェフ監修のリーズナブルなオリジナル商品】

今回のコラボ弁当のポイントは、鼎泰豐のシェフが監修したという点。それと、どれも100元以内の価格帯で、鼎泰豐の魅力を取り込みながらもファミマだけでしか食べられない商品設定になっているということ……なんだとか。

【香腸香辣醬黃金蛋炒飯 89元】

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まずご紹介するのはソーセージと特製ラー油の金色タマゴチャーハン。

正直いうと、89元という価格設定はコンビニ弁当としてはお高め。ただ、ファミマに限らず、有名レストランとのコラボ弁当は概してこの価格帯なので、「とりあえず試してみるか」という感じで払える金額ではあります。

大きめのソーセージがたっぷり入っているのが魅力的。日本のコンビニ弁当は容器のかさ上げが顕著になっていると批判が上がっているようですが、こちらはぼちぼちのボリューム。

食べてみて真っ先に感じたのは「ご飯が油でギトギト」ということ。いや、別にこの商品に限らず、コンビニ弁当のチャーハンは基本ギトギトなんです。油は食欲をそそる効果がありますし、それはそれで美味しいんです。僕はお米を食べることが大好きなので、これはこれでアリだと思います。

だがしかし!鼎泰豐でチャーハンを食べたことがある方ならご存知かと思いますが、適度にパラパラなんですよね。かつてネット上で台湾で3番目に美味しいチャーハンと言われたそれを想像して食べてみると、どうしても落差を感じざるを得ません。

ただ、特製ラー油は香ばしくてグッド。日本で「辛そうで辛くないラー油」がはやったことがありますが、それに比べて適度に辛くて、この点はとても評価できました。

【雞肉香辣醬烤飯糰 38元】

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鰹出汁や特製ラー油などで作った特製ダレを染み込ませたという鶏肉の焼きおにぎり。

こちらの価格も割と高めだったのですが、僕が購入した時は、指定のドリンクと一緒に購入すると少し安くなるという割引をしていたので、リプトンのミルクティと一緒に購入。

袋を持った感じ、かなりぎっちり硬めに握られていたのと、焼きおにぎりと聞いて、外はちょっとカリカリで中はモチモチのニチレイの冷凍焼きおにぎりを想像していたのですが、実際にレンジでチンしたおにぎりを食べてみると、かなり柔らかめ。しかもご飯自体も薄味でした。まぁ、この点は台湾人向けの味付けかなぁと思ったものの、具である鶏肉はピリ辛の肉味噌と絡められていてジューシー。ご飯が薄味なのも納得の味付けでした。

ただ、おにぎり1つでは朝御飯としてもちょっと物足りない感じがするので、果物屋で買ったフルーツ(バナナ1本とかりんご1個とか)と一緒に食べてちょうどかなと思いました。小腹が空いた時のおやつにはピッタリです。

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【雞肉香辣醬炒麵 89元】

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エシャロット、醤油、烏酢などの調味料でチキン、野菜を炒めた香ばしい焼きそばです。

焼きそばといっても日本の中華麺ではなく、きしめんのような歯ごたえのある麺で、満足感が高いです。野菜もキャベツ、人参、キクラゲが入って、ボリュームたっぷり。芯の部分もしんなりで味が染み込んでいて美味しく食べられました。

そしてこちらも存在感のある適度な辛さの特製ダレが食欲をそそります。

油濃さも、多分チャーハンと同じくらいギトギトなのでしょうが、スルスルと食べられるので、さほど気になりませんでした。この点はチャーハンよりも好印象でした。

【普通の弁当よりも手間がかかってるそうですよ】

で、焼きそばを買った時にファミマのおっちゃんに言われたのは、チャーハンも焼きそばも、機械で炒めてるのではなくて、スタッフさんがきちんと炒めていて、各店に配分される量も他の弁当に比べて少ないんだとか。

正直リピートするかと言われたら特にという感じではあるのですが、一度は試してみる価値があると思います。「鼎泰豐」の味と思って食べるとがっかりするかもしれませんが、普段のファミマ弁当がレベルアップしたと考えると、十分によさがわかるのではないでしょうか?ぜひお試しください〜。

インリンさんが家に来た!台湾で借りてる部屋の話

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実はですね、この度タレントのインリンさんのyoutubeに出演させていただきました。もう5年以上の付き合いになる友人が台湾でインリンさんのマネージャー業務をしていて、そのご縁で僕が住んでいる部屋を紹介するということになりました。今回はその撮影裏話と実際に借りているお部屋の話をしようと思います。

【割と行き当たりばったりだけどサクサク進む撮影】

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撮影のお話が舞い込んだのは撮影日の2週間くらい前。友人から台湾に住んでいる日本人のお部屋紹介をする企画があるということで「お伺い」がありました。といっても、実はこの友人はかつて台湾で発行されている日本語雑誌の編集をしていて、その雑誌で同様の特集があった時に、紹介されていた部屋があまりにも上流階級過ぎていて、「僕に声をかけくれればよかったのに〜」と言っていたことを覚えていたようなんです。で、具体的な撮影日が決まったのが撮影の一週間前。お伺いの時点で一応話のネタになりそうなポイントを何点かお伝えしたのですが、特にどんな風に撮影が進行していくかの言及はなく、実際に部屋に到着してから色々考えましょうということになりました。

待ち合わせの場所となった我が家の最寄駅前のコンビニでインリンさんとお会いしたのですが、もうね、本当にお美しい。

ここではっと気がついたのですが、こんなにお美しい方をこの後非リア充の台湾ヲタの家までご足労をおかけするだなんて、本当に申し訳ない、というか恥。後悔の念がこみ上げてきました。しかしながら、まぁ、時すでに遅しですわ。

取材の日に大急ぎで掃除をしたのですが、10年近く住んでいるので物が多い多い。付け焼き刃で片付けられるわけもなく、超生活感アリアリの部屋を半永久的に映像として残すことになりました。まぁ、飾りっ気のないリアリティなアラフォーの部屋というのがわかっていただければと思います。(恥

で、家の入り口に来たところから早速撮影がスタート。勿論初見の場所ですが、台本もなく、インリンさんは直接見たままを喋っていきます。途中うまく話せないところがあっても、編集点をその場で作って仕切り直し。臨機応変にパパパパパっと撮影。そのスピード感にただただ圧倒されるばかりでした。

てっきり家の前ではインリンさんだけが喋って「それでは早速お邪魔してみましょう〜」という挨拶だけで終わるのかと思ったら、急遽僕が出演しなければならない状況に。それが僕のyoutubeデビューシーンとなりました。

その後も基本的にはすぐにカメラを回せる状態にしていて、インリンさんが思ったまま、感じ取ったまま撮影が進むといった状況。この行き当たりばったり感がyoutubeならではの面白さなのかもしれません。とはいえ、多分インリンさんの頭の中には撮影しながらどういった編集をして、どういった作りになるのかしっかりわかっているのでしょう。

しかし、慣れてないし、事情が分からない僕は割と大変。笑

窓を突然ガラッと開けられ、干していたパンツががっつりカメラに映されてしまったというのもご愛嬌でしょうか。笑

実際に仕上がった映像を見ると、うまく編集されていたので一安心です。笑

撮影後にインリンさんと友人を交えてお話しする機会があったのですが、僕の部屋はお二人の家と比べて日本色がほとんどないそう。あまり在台日本人の友人がおらず、部屋にお邪魔することもないので、意識することもなかったのですけれど、どうやらそうらしいです。

↓実際の動画はこちらからどうぞ

www.youtube.com

【住み心地は最高】

 さて、今回youtubeで紹介することになった部屋なのですが、元々は大学院在学中に借りたのがきっかけです。初めは寮に住んでいたものの、修士課程を2年で卒業できなかった僕は、3年目に賃貸の部屋を借りました。今の部屋は2回目に借りたもので、住み心地がいいので大家さんに追い出されるまで住み続けようと企んでいます。

専用の浴室とトイレが付いている「套房」という形式の部屋(トイレ・シャワーが共同のものを「雅房」と言います)で、キッチンはありません。同じフロアにはほかに同様の部屋が3部屋あり、ベランダにある洗濯機と冷蔵庫は共同です。

もともとあまり部屋に対してたくさんの要求があったわけではなく、とりあえず「套房」「比較的防音がしっかりしている」「シャワーの水圧が高い」「トイレの排水がしっかりしている」ということを重要ポイントとして選びました。

台湾の学生向けの部屋というのは、元々大きなフロアの家に大家さんが仕切りを作って貸し出していることが多く、場合によっては隣の部屋との壁がベニヤ板一枚だけということがあるんです。実際に先輩がそんな部屋に住んでいたんですが、咳をしたり鼻をかんだりする行為にも隣人に気を使わなければならず、不自由極まりなかったんですね。

そして、シャワーの水圧については、一つのフロアを複数人に貸し出しているため、一度に数人がシャワーを浴びたりすると、水圧が低くなるということも聞いていました。なので、内見の際に実際に水道を使わせてもらって通常時に十分な水圧があるところを探しました。

トイレについてなのですが、台湾のトイレ、一度にしっかり流れてくれないことが多いんです。あと、やっぱりトイレットペーパーは流したいということで。まぁ、少し待って2回流せばいいんですが、水の無駄になりますし、水圧が低かったら待つのにも時間が掛かるので、やはりここも内見で実際に流してみて決めました。

これまで大学関連で知り合った日本人だと、浴槽とキッチンがあることを最低条件とする人が多かったのですが、僕は使わないと割り切りました。結果的に家賃の安い部屋が見つかったのだと思います。

今の部屋の大家さんは水電工と呼ばれる電気屋さん+水道屋さんみたいな仕事をしているおっちゃんで、入居前にはクーラーをプロの技で清掃してくれたり、温水器や配管などで問題が起きてもしっかり直してくれます。

あと、以前のルームメートの話では、半年くらい家賃を振り込むのをすっかり忘れていてもなんの催促もしてこなかったという大らかさがあるみたいです。笑

おかげさまで大家さんと良好な関係が築けているのと、今の部屋にとても満足しています。

ただ、映像を見た方はお分かりと思いますが、本当にものが多くて収納がうまくできていないので、もう少しおしゃれに改造できないかと考えていますが、、、まぁ、このままなんだろうなぁと思っています。

何の役に立つかわかりませんが、台湾の暮らしぶりの一例をわかっていただけたら幸いです。

【タイガーエア台湾】澎湖馬公→台北松山 エアバスA320型機搭乗記【国内線に進出】

介風見聞録にお越しいただき、有り難うございます。介(すけ)です。

先日、訳あって澎湖へ2泊3日の旅行をしてきました。台北から飛行機で行ったのですが、帰路で国内線に進出したタイガーエア台湾の便に搭乗することができたのでその記録をしたためたいと思います。

【特筆すべきタイガーエア台湾の国内線運航】

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タイガーエア台湾は、2013年に台湾で初めて設立された格安航空会社(LCC)で、現在はチャイナエアラインの100%子会社です。これまでは台湾から日本、韓国、マカオ、フィリピン、タイなどへの国際線だけを運航していたのですが、コロナ禍の影響でほぼ運休状態となってしまいました。

そんな中、防疫面で成功したと言える台湾では国内旅行が盛況となり、台湾本島と離島を結ぶ航空需要も増加。通常はマンダリン航空が運航している台北(松山)・高雄−澎湖・金門線に、2020年の夏ダイヤからタイガーエア台湾がマンダリン航空の増便分を運航するようになりました。どちらも同じチャイナエアライングループだから成せる業ですが、これまで国際線専門だった航空会社が、マンダリン航空便として国内線に進出したということは、交通マニアとしては非常に「胸熱」な一大事であります。

マンダリン航空の機材は、ターボプロップ機のATR72-600(70席)とジェット機のエンブラエル190(104席)。それに対してタイガーエア台湾はエアバスA320(180席)と圧倒的輸送力を持っています。しかも今回乗ったタイガーエア便は、20分後にマンダリン航空のE190を使った続行便が飛んでいるのにもかかわらず満席となっていて、急増している離島需要の大きさがわかります。

(補足:台湾の国内線はエバー航空傘下のユニー航空も運航しています。通常はATR72−600での運航が多いですが、現在はタイガーエア台湾のエアバスA320よりさらに大きいエアバスA321−200(184席)での運航も行っています。)

【機内サービスはマンダリン航空に準ずるもの】

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タイガーエア台湾の国内線進出は、台湾ではニュースになり、マンダリン航空のウェブサイトでもタイガーエアとの連携で増便しているとの情報が掲げられていたのですが、便名はマンダリン航空のAEが冠されているだけで、タイガーエアとマンダリン航空のコードシェアというわけではなく、あくまでもマンダリン航空便としての運航でした。(機材だけでなく乗務員さんもタイガーエアの方でタイガーエアの制服を着用していました)

シートポケットには安全のしおりだけ。以前高雄−成田線に搭乗した際には、機内誌のほか、免税品カタログと機内販売パンフレットが入っていましたが、なし。エチケット袋も入っていませんでした。ちなみに機内誌に関してはマンダリン航空の機内誌が客室最前列の仕切板のポケットに数冊入っていたので、降機の際に頂いてきました。

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機内アナウンスは中国語、英語、台湾語のほか、担当のCAさんが客家人だったのでしょうか、少しだけ客家語のアナウンスもありました。

飛行時間が短いので、離陸後ほどなくしてドリンクとおしぼりのサービス。行きに乗ったユニー航空便ではお茶とパイナップルジュースが選べたのですが、こちらは台湾の食品大手「愛之味」製造のマンダリン航空のロゴが入った無糖麦茶一択。まぁ、通常のタイガーエア便ではドリンクは有料になるので、それを上回るサービスと言えるでしょう。

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ドリンクを回収し終わるとすぐに着陸態勢へと入り(多分新竹上空あたり)、最終的に飛行機は予定よりも5分早い40分で台北に到着。あっという間の時間でしたが、海外旅行ができなくなったこのご時世で、飛行機に乗りたいという航空マニアの望みを少しでも叶えることができて大満足でした。

今後海外旅行が再び自由化されれば、このタイガーエア台湾の国内線も運休することになると思うので、マニア目線で見れば貴重な体験となりました。

【タイガーエア便を選ぶデメリット】

さて、マニア的にはぜひ乗っておきたいタイガーエア台湾の国内線ですが、デメリットが一つだけありました。

それは、

シートピッチが通常のマンダリン航空の機材より狭いということ。

ATR72−600は30インチ、E190は31インチになのですが、タイガーエア台湾のエアバスA320は28インチ!!!微妙に狭いのです。

まぁ、短足の僕には関係ない話なのですが、狭さを感じる人もいるかもしれません。台北−金門線でも1時間のフライトなので辛いと思うことはないとほぼ思いますが、足の長い方はご注意くださいませ。

 

台湾で自動車免許を取りました

介風見聞録にお越しいただき、有り難うございます。介(すけ)です。

2週間に一度は更新できればいいかなと思っていたものの、気がつけば1年以上放置していました。(汗)重い腰を上げてせっかく立ち上げたブログをこのままにしておくのは良くないという妙な罪悪感に苛まれ、再びMacBookに向き合っています。

 

さて、今回のお話はタイトルの通り、「台湾で自動車免許を取得しました」というものです。

スクーターの免許は2016年に台湾で取得して、スクーター通勤をしていたのですが、元々東京生まれ東京育ち(都下ですが)で、台北暮らしという環境上、交通の便利さから、自動車の必要性をあまり感じたことがなく、僕と親しい台湾の同年代の友人らも免許を持っていない人が圧倒的に多かったので、これまで免許が欲しいという欲求がありませんでした。

とはいうものの、今年4月に台湾人2人とベトナム人1人とともに車で中部旅行をした際、運転できたのはまさかのベトナム人の友人(しかも方向音痴)だけで、4日間の行程すべての移動を彼に任せることになってしまい、非常に大きな負担をかけてしまいました。そんなことがあり、やはり遠出をするなら自分が免許を持っていた方が後々いいだろうと思い、免許の取得を目指すことになりました。

【AT限定なら16,500元】

まずは自動車学校選びですが、我らが文山区には文山駕訓班というのがあり、平日の退勤後にも間に合うし、家から近いという理由で迷わずそこに決定。グーグルさんの評価では近隣の教習所より点数が低かったのですが、結論から言うと特に嫌な思いをしたことはありませんでした。

費用は訂金という名の入学金3,000元とオートマ限定免許の代金13,500元。もっと安いところもたくさんあるようですが、毎日通うので利便性を第一に考えました。代金はこれでも高くなったとのこと。それでも日本の費用に比べたら驚くほど安上がりです。あらかじめ指定された診療所で非常に簡単な身体検査をした上で申し込みをします。1コマの授業は50分。基本は平日に毎日技能の授業が1コマあり、土曜日に学科の授業が3コマ5週間にわたって行われました。希望に応じて土日に各日3コマの技能授業をすることも可能だそうですが、追加料金がかかるみたいです。

年齢層は卒業を控えた高校生や大学生が主でしたが、僕のようなそれなりな歳の人もチラホラ。そして意外だったのは、東南アジアから出稼ぎに来ている感じの若者も数人いました。英語での技能授業も行っているそう。ちなみにカウンターのお姉さまの話だと、今の台湾はほとんどがオートマ限定で免許を取るらしく、毎回100人の生徒のうち、マニュアルを習う人は2人くらいなんだとか。あと、以前も日本人留学生の生徒がいたそうなのですが、免許を取得せずに帰国したという話も聞きました。

あ、そうそう、僕はそれなりな歳のおっさんなのですが、カウンターのお姉さま2人にとても可愛がっていただきまして、なにかと気にかけてくれてくれました。アットホームな雰囲気がすごく良かったです。

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【基本放置プレイで自由な教習】

で、 技能授業の教官は原則として固定。僕を担当してくれたのは教官歴30年のおっちゃんで、過去には軍で輸送用のトラックなどの運転指導にも当たっていたんだとか。毎日顔を合わせるので、自然と親しくなります。

教習車はヤリス。以前はマーチだったようですが、近年車種変更があったよう。そして1週間ほどして一通りの動作ができるようになると「あとは一人で頑張って」と単独でコースに放り出されます。助手席にも座りません。まさに今流行りのリモート教習。一度S字で縁石に乗り上げてしまった時はLINEで呼び出して助けてもらいました。

ここに限らず、台湾の教習所はどこも基本放任主義のようです。特に僕の教官は教習所内の雑用もこなしていて、ある時は事務室の電球を取り替えていたり、センサーの調整をしていたりとまさに自由。でも、逆にそっちの方が気が楽でした。自己流の変な癖がついてしまっていたら大変ですが、結果的にはそんなこともありませんでした。

とはいえ、見るところはしっかり見ていて、たまにふっと近づいてきては「さっきのカーブ、ハンドル切るタイミング遅すぎ。路側帯踏んだら減点だよ」とか「左右確認忘れただろ?」と指摘してきました。見られたくない時に限ってちゃんと見てたのが悔しい。ぐぬぬ……。

あと、本来土日は追加料金が必要なのですが、僕の教官は土日にも生徒がいたらしく、「来たかったらおいで。平日より生徒が少ないから練習しやすいよ」ということで、何度か追加料金なしでお世話になりました。

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教習車も基本的には固定。27番に乗ることが多かったです

台湾の教習所の敷地なのですが、後々調べてみた日本の教習所よりも非常にコンパクト。一方通行の周回ルートで、交差点はありませんでした。 あったのは、45メートルの直線道路(マニュアル車のギアチェンジ)、2車線道路(進路変更)、車庫入れ、縦列駐車、S字カーブ、坂道発進、踏切といったところ。交差点での優先判断やクランクもなし。日本と違うのはS字で、前進したのち、バックで出てこなきゃいけないという点でしょうか。

路側帯の外側にはゴムセンサーが敷かれていて、これを踏んでしまうと「パオパオパオ」とけたたましくサイレンが鳴り響き、減点を知らせてきます。これ、本当に心臓に悪かった……。

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憎きセンサーを踏むとここからサイレンが鳴ります

学科の方はというと、教習所の教官が自動車の仕組みや交通規則を教える回があったり、外部から招いた専門家から事故の対処の仕方などを教えてくれる回がありました。日本では救護訓練の一環で心臓マッサージの仕方やAEDの使い方を教わるそうですが、ありませんでした。「あなたは心臓マッサージをお願いします。あなたは救急車を呼んでください。あなたは交通誘導をお願いします」とかやりたかったんですがね……。

【路上教習は1回20分のコースを6回走っただけ】

さて、台湾は長い間、教習所内で行われる教習を受け、そこで行われる検定試験で合格すれば免許が取得できました。つまるところ、日本でいう仮免試験が本試験だったという訳です。台湾の素晴らしい交通事情を知っている方なら「なるほど、それでか」と色々と合点がいくはずです。ただ、さすがにそれではやばいと気づいたかどうかはわかりませんが、2017年から従来の方式にプラスする形で路上教習と試験が行われるようになりました。

ただ、路上教習に進むための仮免試験は特段なく、教習所内での規定の授業時間を修了し、教官が「大丈夫そうだ」と思った日から敷地外へと繰り出します。この時ばかりは教官も助手席に着席。わかっていたことですが、縦横無尽に走るスクーターをかわしながら走るのはまさに恐怖。基本的に練習で走るコースがそのまま検定のコースになるので、ポイントをチェックしながら走ったのですが、実際にはたった6回、計120分走っただけで検定試験へと挑むことになりました。正直なところ、不安で仕方なかったのですが、教官曰く「大丈夫大丈夫、路上試験は余程のことをしなきゃ落ちないから」ということで不安をぬぐいきれないまま試験日となりました。

【ついに来た学科試験】

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貸切バスにドナドナされて行きました。ここに来るのはスクーターの免許取得以来

試験は学科と実技があります。学科は同期の生徒みんなそろって士林にある免許センターに赴いて団体受験します。試験日は平日の午前。学校や会社がある人は休みを取らなければいけません。僕も有給を取得しました。

試験内容は道交法や自動車の仕組み、運転技術に関するもので、パソコンを使った選択式。問題は入学時に教習所から渡された冊子に一覧が掲載されていたほか、免許センターのウェブサイトからでも閲覧できます。内容さえ覚えてしまえば、それほど苦ではありません。とはいえ、中国語読解力が乏しい僕は、問題に一通り目を通すだけでも一苦労。試験日1週間前から冊子を読み始め、5日かかってやっと読み終わりました。

安心設計なのは、教習所や免許センターのウェブサイト、携帯アプリで模試が受験できること。週末を利用してやりこんでいたら毎回90点台を叩き出せるようになり、そのおかげか本番では過去最高の100点を獲得!中国語の試験でもこんないい点数は出したことがなかったので、いい気分でございました。やったよお母さん!(謎)

そうそう、免許センターでは日本語でも試験が受けられます。実際に一度模擬試験を受けてみたのですが、やはり台湾の道交法を理解している必要があるのと、試験内容の一覧は中国語しかないようなので、何も知らない状態で突然試験を受けても合格するかどうかは未知数です。

勉強していて気付いた日本と台湾の違った点は、高(快)速道路の走り方。「高、快速公路之內側車道為超車道。但小型車於不堵塞行車之狀況下,得以該路段容許之最高速限行駛於內車車道」とあり「高(快)速道路の内側車線は追い越し車線であるが、小型車は渋滞が起きていない状況下では速度制限を守った上で内側車線を走ってよい」と書かれていたんです。追い越しが完了したらすぐに走行車線に戻らないといけない日本とは違うんですね。

【ドッキドキの技能試験】 

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学科試験に合格できたので、実技の検定試験に進むことができました。仮に学科試験が不合格になると、技能試験は受けられず、約半月後に再試験となるみたいです。学科試験の後に教習所に戻って試験となる生徒もいましたが、僕の場合は翌日の試験となりました。

免許センターから招かれた試験監督は、まぁ、その、無愛想。いや、それだけ公正公平ではありますが。でも、教習所内であれ、路上であれ、基本的には普段の教習ルートと同じコースを走るので、特段難しいというわけではありませんでした。ただ、やはり緊張しますよね。特に乗車前や出発前の確認作業は忘れがちで発進前の脱落者が続出。実感としては15人に1人は不合格になっていた感じがします。

僕はというと、自信がなかったものの教習所内で90点台、路上で80点台とごくごく普通の成績で無事一発合格。晴れて免許証を手にしました。

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ただ、教官に言われたのは「僕たちが教えているのは試験に合格するための技術であって、実際に道路を走る技術じゃないからね」という言葉。学科の授業の時も「台湾は免許を取ってからがスタートラインだからね」と言われました。普段スクーターを乗り回していますが、台湾で自動車を運転することの難しさはやはりスクーターの比ではないと思います。

行きつけの美容師さんも「なんだかんだであたしも痛い学費をたくさん払ってるからね」と脅され、免許取得後1カ月が経ちましたが一度もハンドルを握っていません。今後も運転できる気がしないのですが、友人とドライブに出かけ、運転手役の友人に万が一のことがあったら、とりあえず近隣の病院まで運転できればいいやと、そんな心構えでいます。笑

でも、これで大学院時代に訪問した地方の原住民集落などに遊びに行けるんだよなぁと思うと、やっぱり車を運転したいなぁという気持も湧いてきます。運転する機会があった時には、またブログに書き記したいと思います。

門出

リア充もすなるブログといふものを、非リア充もしてみむとて、するなり。それの年の弥生の二十日あまり三日の日の戌の時に、門出す。

【ごあいさつ】

という訳で、初めまして。介(すけ)と申します。日本人です。

僕と同じく台北で暮らす日本人のお姐様から、ブログを始めてみてはどうかと提案され、大学院卒業以降、埃をかぶっていたMacBook Airを取り出して、久しぶりに文字を打っています。

【自己紹介】

1985年、昭和末期生まれのおっさんです。出身地は東京。「平成狸合戦ぽんぽこ」や「耳をすませば」などの舞台となり、日本最大規模のニュータウン開発が行われた郊外です。

小さい頃からアジアの地理や文化、歴史、言語に興味を持ち、「ファイナルファンタジー8」で中国人歌手フェイ・ウォンの歌を聞いてC-popとCanto-popにどハマりし、途中K-popに一時的な浮気をするも、中国語学科のある日本の大学に進学。ちょうど20歳だった2005年に通称「猫空大学」と呼ばれる某国立大学へ1年間の交換留学することとなり、台湾生活が始まりました。その後約半年間日本に一時帰国するものの、大学を卒業してすぐに台湾に戻り、それから日本で生活をしたことはありません。

台湾に戻ってからは、猫空大学の大学院で台湾史を研究。半官半民の通信社で編集を3年半務め、現在は旅行系メディアの編集をしています。

、、、ここまで詳しく書くと、少し検索すれば簡単に身バレしてしまうと思うのですが、小さい台湾ですし、インターネットの発達した時代に完全匿名を貫くのは確実に無理だと思うので、その辺りは覚悟しております。ただ、わざわざ口外するなどはご遠慮いただければ幸いです。

【内容方針】

では、何を書いていこうかということなのですが、おかげさまで、かれこれ人生の1/3を台湾で過ごし、台湾人の友人にも恵まれ、すっかり現地化しました。台湾人からも日本人からもあまり日本人扱いをされません。

これは「郷に入れば郷に従え」を僕なりに実践した結果だと思うのですが、決して良いことだと言い切るつもりはありません。ただ、だからこそ、ほかの人とは違った視点で物事を見ているのではないか、そして僕自身もそのことをしっかりと自覚する必要があるのではないかということで、台湾と日本のことを中心に日々の出来事について、自分の考えを書き綴っていきたいと思います。 

ちなみに、2019年現在、僕の中で香港ブームが続いており、一年間のうち香港滞在日数が日本滞在日数を大幅に超過する現象が起きています。香港や広東語に関することも書いていければいいなと思っています。

という訳で、長くなりましたが、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。