介風見聞錄

台北に暮らす「介(すけ)」のあることないこと。

台湾で日常的にスクーター移動をしていて思うこと

介風見聞録にお越しいただき、有り難うございます。介(すけ)です。

2月21日に新北市内の北宜公路でスクーターに乗っていた日本人学生が台湾人男性の運転する大型バイクと衝突し、台湾人男性が死亡、日本人学生が意識不明の重体になる事故が起きました。3月22日の続報によると懸命の治療が続いているこということで、一刻も早い回復を祈るばかりです。

僕自身も、台湾で日常的にスクーターを乗り回していて事故が起きた現場も何度か通ったことがあり、一報を聞いて他人事には思えませんでした。今回はこの事故や台湾でスクーターを運転してみて感じたこと、思ったことを記したいと思います。

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【バイク乗りなら走ってみたい北宜公路】

今回事故が起きた北宜公路は、その名が示す通り台北(新店)と宜蘭を結ぶ幹線道路です。全長13キロに及ぶ雪山トンネルを通る高速道路「国道5号(蔣渭水高速道路)」が2006年に開通してから通行量は減ったと言われるものの、沿道には銀河洞、鱷魚島、坪林などの風光明媚な観光スポットが点在し、週末になるとツーリングやドライブに訪れる人が大勢います。

ほぼ全線が片側一車線の山道。大体の区間で制限速度は40キロ。僕はいつも木柵を出発すると深坑、石碇を通り、坪林から北宜公路に入って宜蘭の礁溪に行きます。所要時間は約2時間。沿道は緑深い山々の景色が美しく、新北市と宜蘭県の境にある展望台から一望した蘭陽平原と太平洋はいつ見ても感動的です。宜蘭側には「九彎十八拐」と呼ばれるヘアピンカーブが連続する「難所」があるのですが、近年になってカーブの改良や拡幅が行われて走りやすくなっているようで、実際に走破してみても法定速度を守っていれば特に危険を感じることはありませんでした。

ただ、初めて北宜公路を走破した後にバイク屋のおっちゃんに得意になって報告したところ「気をつけなよ」と半ば呆れ気味に言われ「ちゃんと法定速度を守ったよ」と口を尖らせて反論したら「守ってない奴が突っ込んでくるんだよ」と返され、何も言えなくなってしまいました。確かに週末になると多くの走り屋が出没し、それを目当てに沿道のドライブインにはたくさんのギャラリーやアマチュアカメラマンが集まる状態。当然事故も多く、ネットで検索すればいくらでも悲惨な事故のニュースや車載動画が出てきます。

それでも、街から山、山から海へと目まぐるしく変わる景色が楽しめ、標高が変わるごとに感じる温度差、走り終えた後の爽快感は、何物にも代えがたく、ツーリングの醍醐味が手軽に味わえるのが、北宜公路の魅力だと個人的には思います。今回事故に遭ってしまった留学生も、そんな魅力を味わいたかったのではないかなと思うと、本当に胸が張り裂けそうになります。

【スクーターはやっぱり便利。でも覚悟もしてる】

今回の事故について「危険な場所に行くのが悪い」「全ては自己責任、自業自得だ」と言う人がいるかもしれません。ツイッターを見てみると、台湾の交通マナーの悪さを指摘する声もとても多く、「日本人は台湾でスクーターに乗らないほうがいい」という意見が多数を占めています。

毎日運転していると、台湾人の運転には不思議な部分が多々見受けられ、目の前で事故が起きたことも1度や2度ではありません。旅行者は安易に台湾でスクーターを運転しようと考えないほうが無難だという考えは間違いないと思います。ただ、台湾で暮らしている人間として、これだけ便利な交通手段であるスクーターを利用しない手はないというのと、台北市の中心部以外の場所に住んでいたり、自動車を所有していない場合、スクーターがないと生活を送る上で不便極まりないということも事実です。むしろ台北市以外はスクーターや自動車がなかったら大変なんだろうなぁと思います。

それと、僕の場合はスクーターに乗ってから行動範囲が驚くほど広がって、それこそ台湾に興味のある日本人が行きたがる「ディープな場所」に行けるようになり、台湾に対する見識をさらに深められました。仕事の上でも移動時間の短縮ができ、効率が上がりました。金曜日の退勤後に陽明山まで温泉に入りに行くなんてこともしていて、生活が今まで以上に充実したかなとも感じています。

新北市板橋に住む台湾人と結婚した友人(日本人)も、逞しくスクーターを乗り回してお子さんの送り迎えをしたり、大きな公園まで遊びに行ったりしています。赤ちゃんから高齢者までを含めた国民1.5人に1台の割合でスクーターを所持していると言われる台湾。危険と隣り合わせではありますが、皆さんそれぞれの事情で覚悟の上で運転されているのだと思います。

ちなみに、僕はスクーター購入時、バイク屋のおっちゃんに頼んでドライブレコーダーを装着してもらいました。後方から突っ込まれる可能性もあるからと前後にカメラがあります。また、保険屋で働いている友人に頼んでスクーターの任意保険にも加入しています。万が一の際に相手と自分の両方を守れるように対策を取っているつもりです。

とはいうものの、今月22日のTVBSのニュースによると、日本人今回の事故では当事者のドライブレコーダーの記録媒体が破損してデータの読み取りができなかったらしく、もどかしさも感じます。

【台湾人の意識が変わるのを切に願う】

日本も昭和30年代や昭和50年代に交通戦争と呼ばれた時代があり、尊いたくさんの犠牲を払った上で、ようやく交通死亡事故が減少しました。とはいえ、名古屋の運転マナーは悪く、岡山ではウインカーを使わない人が多いとされるなど、現在でもそれなりに課題があります。そんな中で日本人が台湾の交通事情をとやかく言う資格はないような気がしますが、台湾で運転する身としては、やはり台湾の交通マナーと事故を誘発するような道路の設計も変わってほしいと思います。

台北では最近、一部の交差点で歩行者用信号が車両用信号よりも早く青に変わって、安全に横断歩道が渡れる時間が確保されるようになったり、歩行者優先の概念が強く叫ばれるようになり交差点での取り締まりが強化されるなど、少しずつ変化の兆しが見えています。

台湾にせっかく暮らしているのに「台湾の交通事情が劣悪だから、公共交通機関で行けるところしか行けない」というのではとても悲しいです。安全に対する意識は一朝一夕に変わるものではありません。それでも悲しい事故がなくなれば、在台日本人がもっと自由に台湾を移動でき、交流も深まると思うのです。これには台湾人ひとりひとりが問題を自覚して、安全運転への意識を高めてもらうことしか方法はないのですが、そんな社会にするために僕自身もこれまで以上に安全に気を配りながら、台湾を走りたいと思いました。

最後に、台湾に旅行に来るみなさんに口を酸っぱくしてお伝えしたいことがあります。台湾では歩行中の事故もとても多いです。以前の会社は日本人観光客の多いエリアにあり、横断歩道を渡る時に前しか見ない日本人観光客を多数お見かけしました。もちろん、日本ではそれで良いかもしれませんが、台湾では現状、車の来る方向も見て安全を確保してから渡って欲しいなと思います。

歩きスマホはもってのほかです。楽しい台湾旅行が台無しにならないように、どうか気をつけて街歩きを楽しんでくださいね。

 

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台湾に住んで15年になって考えるアイデンティティの話

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2005年に交換留学で初めて台湾に来てから、15年が経ちました。おかげさまで一昨年には永久居留証をいただき、勝手ながら台湾を構成する人間の一人になれたのかなぁと思っています。ただ、こういうことを言ってしまうと、厚かましく感じられる方もいらっしゃるかもしれません。実際、日本国籍である僕は、多くの台湾の方々のご好意とご尽力により、暮らさせていただいています。しかしながら、これだけ長く台湾で暮らしてしまうと、日本人としての自覚や意識も希薄になっているのも事実です。

今回は、在台15年が経った僕のアイデンティティについて、なんとなく落とし所がついた話をしようと思います。

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【日本人だけれど日本に思い入れがないことに気がついた】

生まれも育ちも東京の都下で、20歳に交換留学で台湾に来るまで海外経験がなかった僕ですが、台湾に来てからホームシックになるということは一度もありませんでした。もちろん、中国語が思うように話せないもどかしさで辛いなぁと思った時期もあったものの、当時はまさかこんなに長く台湾に滞在するとは思っておらず、いつか日本に帰るだろうと思っていたので、ホームシックになる環境すらなかった気がします。台湾だとなんだかんだで日本食が食べられますし、日本のテレビ番組だって見れますし。不自由を感じたことはありません。

ただ、5年、10年と滞在が長くなるにつれ、気付いたことがありました。それは、自分がそもそも「あまり日本に対して思い入れがない」ということ。自由に海外旅行ができた時期でも、東京の実家に帰るのは1年半に一度あればいいくらいで、年間滞在日数では日本よりも香港の方が長いことがままありました。(といっても数日の違いですけれども)

日本の春のソメイヨシノを見て美しいと思いますし、冬に外へ出て耳まで痛くなる寒さを感じて「いとおかし」と感じたり、本場の日本料理を食べて美味しいと感じることもあるわけですが、別にそれを体験しなくても、死ぬわけではありません。

逆に、台湾にいても、春に陽明山に咲くカラーを見たり、初夏にライチを食べたり、夏にマンゴーを食べたり、年越しには寒さに耐えながら台北101の花火を見たりと季節感や文化を感じられるわけで、台湾には台湾の良さが沢山あることに気づきましたし、それが僕の中で日常の風景になったのかもしれません。

しかも最近は香港やシンガポール、タイなどにも興味が出てきていて、日本だけにこだわる理由もないと思い始めてきました。

こう考えられる背景としては、中国語や台湾の生活に不自由しなくなったり、たくさんの友人ができたりと、台湾での生活の基盤がしっかりとできたこと、台湾での生活を通じて、香港やシンガポール、タイに精通する友人ができたことなどの影響が大きいのではないかなと感じています。あと、家庭環境がぼちぼち複雑で、家族間であまり深い絆がないというもの大きいかもしれません。

【別に日本人らしくなくたっていいじゃない】

とはいうものの、日本人でありながら日本に興味がないというと、周りの人には不思議に見えるようで、「日本人なのに……」「変わってますね……」と絶句されることもしばしば。なんとなく遠回しに非国民とか、売国奴と思われているような複雑な気持ちになることもありました。

そんな中、数年前、台湾で活躍しているある日本人作家のインタビューをした際に、とても印象に残る言葉を聞き、それまで心の中に引っかかっていたしこりのようなものが取れるようなすっきりとした感覚がありました。それは、「アイデンティティはマーブルのようなもの」という言葉。

多くの人は日本人、台湾人、アメリカ人などとと国籍で個人のアイデンティティを判断しがちですが、実際は花蓮の大理石のように2色(もしくはそれ以上)の色が混在しているというのです。その色は完全に溶け込んでいるわけではなく、絶妙かつ複雑に混ざり合っている状態。

確かに、人それぞれ育った環境や受けた教育、時代背景などが違うわけで、国籍だけで人を判断するというのは到底無理な話。特に台湾のように外省人、本省人(さらに閩南人と客家人)、原住民(平埔族を含む)、新住民とたくさんのエスニックグループが暮らす場所では、そもそも台湾人という言葉で一括りにできる人々ではないはずです。ただ、同じ台湾という土地に暮らしている以上、お互いが影響しあってそれぞれが独特のマーブル模様を形成しているというのは十分に納得ができる考え方です。

セクシャリティについても、男と女と二分化するのではなく、グラデーションだとする考えが広まっていますが、まさに同様の考え方ですよね。

昨年、李登輝元総統が亡くなり、彼のアイデンティティについて取り沙汰されることが多くありました。彼はまさにこのマーブルのアイデンティティを持ち、TPOに応じて無意識のうちに使い分けていたのではないかなぁと思います。

僕の場合は、生まれ育った日本人らしい部分と、生活の基盤となっている台湾人らしい部分の双方があると言えるかもしれません。

台湾の友人であれ、香港の友人であれ、僕が珍しく日本語を喋っている場面に出くわすと「忘れてたけど、お前日本人なんだよな」と言われるようになっているので、僕の中にも台湾人らしさというのは多かれ少なかれあるのだと思います。

 

長々と書いてきましたが、結論としては、僕のアイデンティティが、誰か別の人に決められるものではなくて、時と場合によって無意識ながらも流動的に、絶妙に切り替えられるものなのだなぁと理解できました。それと同時に、僕以外の人たちも同様で同じ土地や国に暮らす人の中でもたくさんのアイデンティティが混在しているのだなぁという意識が芽生えるようになりました。

国籍だけを理由に先入観や固定概念で相手の性格や習慣を決め付けるのではなく、その人の背景や環境も理解した上で、接することが一番なのかなと改めて考えられました。十人十色という言葉があるように、多様性のあることをたくさんの人が理解して、それを認め合える環境があるといいなと願わずにはいられません。そして、このことに気づかせてくれたのは、この台湾という土地に暮らしているからで、改めて台湾に感謝しなきゃいけないなと思いました。(小並感)

 

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【香港特別行運冰室】本場の味が味わえる茶餐廳がパワーアップして移転オープン

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最後に香港旅行をしてから1年半。非常に深刻な香港ロスに見舞われております。「香港製造」の「出前一丁」を食べたり、最後の香港旅行で買った維他檸檬茶をちびちび飲んだりしていますが、香港に行きたい症候群は悪化するばかり。そんな中、台北にある香港スタイル茶餐廳「香港特別行運冰室」が台湾大学に近い公館エリア移転し、プレオープンしたとの情報を聞きつけ、香港にお詳しい大先輩のmimiさんと一緒に訪問してみました。

↓mimiさんのブログ「香港ねこと台北暮らし」

mimicafe.net

【香港らしさを残しながらも洗練された感じに】

行運冰室は昨年までオフィスが立ち並ぶMRT南京復興駅の直ぐ近くにあったのですが、賃貸契約の満了に伴い閉店。移転先はMRT公館駅と台電大樓駅の中間地点、台電大樓(台湾電力本社ビル)の向かいにある路地を入った飲食店が点在する住宅街の中。雨傘革命後に香港から台湾に移り住んだ人たちで運営される茶餐廳「保護傘」とも徒歩数分の距離にあります。台湾大学や師範大学にも近く、実際に僕たちが訪れた時も、多くの学生さんが見受けられました。客層がガラッと変わった気がします。

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以前と同じく角地に面しているのですが、以前にも増して窓が非常に大きくなり、明るい印象。正直、外観だけを見るとお洒落なカフェで、ぱっと見、香港スタイル茶餐廳とは思えないスタイリッシュさに仕上がっています。

スタイリッシュになったのは外観だけでなく、内装もでした。香港らしさを漂わせる垂直の背もたれの4人掛けボックスシートは健在ですが、奥の壁側には半円形のソファがある6〜8人向けの席ができていました。適度な硬さのクッションがついて、座り心地が向上。期待が高まります。

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【香港の味が楽しめるメニューは若干お高めですがそれだけの価値アリ】

プレオープン中ということで全てのメニューを提供しているわけではなかったようですが、メニューを見る限り内容や品数としてはあまり変わっていない模様。

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今回は週替わりのランチセットの中から、トンカツ定食の「鴛鴦吉利豬扒飯」(180元)をオーダー。スープと70元分のドリンクがついてきて、ドリンクは絲襪奶茶をセレクトしました。

オーダー時にはぶっちゃけこの「鴛鴦」が何を指すのかわからなかったのですが、運ばれてきたのを見て納得。チーズソースとトマトソースがかかっていました。

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チーズソースは濃い味わいがグッド。トマトソースはほどよい酸味が絶妙でした。トマトソースというと、ケチャップを使うお店も多いですが、こちらは本物のトマトを使っているようで◎。

ご飯は台湾で一般的なジャポニカ米ではなく、香港らしく細長いインディカ米。こういったところにこだわりを感じます。些細なことですが、香港ロスの自分からすると、本当に嬉しい配慮です。

スープはキャベツのスープでしたが、かなりしっかりと味つけられていて、若干塩辛かったのですが、僕は完飲しました。

絲襪奶茶はちゃんとエバミルクの分厚い陶器のカップに入れてサーブされます。こちらも十分に濃厚で香港の味。無糖の状態で提供されるので、甘いのがお好きな方はテーブルの上にあるお砂糖を足してください。台湾のミルクティーも美味しいですが、香港のミルクティーには香港の良さがあります。目をつぶればそこはもう本当に香港。

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それと、やっぱり外せない「行運冰火波蘿油」(香港パイナップルパン)もオーダー。結構ボリューミー。表面はサクサクで中はフワフワ、バターとパンが混ざり合ってジューシーになり、文句なしの美味しさ。大満足でございました。

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それと、凍檸茶はかなり厚切りのレモンが3枚乗っていて、太っ腹な感じ。

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ちなみにBGMはカントポップが延々と流れていました。一昔前の誰もが知っている曲ばかりを流しているのかな?と思ったところ、俺が今どハマりしていて、昨年リリースされた「一人之境」が香港電台の十大中文金曲にも輝いた林家謙(テレンス・ラム)の曲も2曲流れたのを確認したので、最新の曲も流れるようになっているようです。

台湾で180元という値段は少しいい値段な気がしますが、とても丁寧に調理されていて、見栄えも、味も非常に満足いくものに仕上がっています。

あと、公館エリアに移転したことで、食後に近くをぶらぶら散歩したり、カフェに行けたりするようになったのは、個人的に嬉しいポイント。友人を誘いやすくなりました。カウンター席もあったので、一人での利用も可能。気軽に利用できるようになったので、今後はいままで以上に通いたいと思います。

【香港特別行運冰室】

台北市大安區羅斯福路三段283巷21弄2號

(02)2362-7900(予約はできません)

 

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【點水樓】ゴロゴロの肉厚ハムが美味しい大根餅は食べ応え抜群

介風見聞録にお越しいただき、有り難うございます。介(すけ)です。

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前回のブログで飲茶レストランの小三元の黒トリュフ大根餅をご紹介したばかりなのですが、旧正月(2021年は2月11日)を前に江南料理レストランの「点水楼」から大根餅「點水必發蘿蔔糕」をいただいてしまいましたのでご紹介します。

過去の点水楼の記事はこちら↓

kennethqi.hatenablog.com

小三元の大根餅に関してはこちら↓

kennethqi.hatenablog.com

【賞味期限はやっぱり3日】

今回いただいたのは旧正月の時期にだけ販売される「年菜」と呼ばれるおせち料理シリーズの中の一つ。「必發」とは「必ず財を成す」という縁起のいい名前が付いています。まぁぶっちゃけ、商品自体は旧正月の時期にも普通に売ってたりするんですが。

大三元の大根餅と同様、必ず冷蔵で保管してください。それでも賞味期限は3日。1000グラムあるので、ご家族や仲間など、大人数で食べることをオススメします。てか、大根餅って本当に日持ちしない食品なんですね。

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箱を開けてみると出てきたのは、直径25センチもありそうな大きな円盤型の大根餅。まるでホールケーキみたいです。普段食べる大根餅って四角形が多かったのでどう切っていいのか悩み、結局適当に切ってしまったのですが、後になって公式ウェブサイトを見てみると、まさにケーキのように、円の中心に向かって切り分けるのがいいみたいです。まぁ、食べてしまえば味は同じですよ。

【オススメの調理方法は、蒸し上げること】

さて、実食と行きましょう。我が家にはキッチンがないので、またまたやってきました友人宅。「最近お前と家族以上に会ってるよ」と嘆かれましたが、心よくキッチンを貸してくれました。

kennethqi.hatenablog.com

点水楼公式の調理方法は、適当な大きさに切って、蒸し上げるのがいいとのこと。もちろんお好みに合わせて焼いてもいいようですが、小三元の大根餅は焼いたので、今回は蒸してみることにしました。

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さらっと「蒸し上げる」と書きましたが、使うのは台湾人のソウル家電「大同電鍋」。蒸し用の中敷を敷き、お皿を置き、食べる分だけの大根餅を入れ、さらに中敷がヒタヒタになるくらいまで水を入れてスイッチオン。後は適当に待っていれば、20分もしないうちに出来上がります。油を使わず、蒸籠もいらず、汚れる調理器具も最小限に抑えられるのでお手軽です。

【口どけ柔らか、ちょっと甘みのある大根餅の出来上がり】

蒸し上がってから蓋を開けると、中から飛び出てきたのは、水分を吸ってちょっとふっくらした大根餅。おいしそうなキツネ色に仕上がる焼きとは違い、キラキラと輝いていて美しいと感じられます。

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特製ダレや唐辛子タレなどはついていないので、こちらで醤油ペースト「醬油膏」を別途用意しました。

箸で持ち上げられる適度な固さなのですが、口の中に入れた瞬間、トロッと溶けるような食感がありました。外がカリッと仕上がる焼きとはまったく違う食感が楽しめますね。

なお、こちらの大根餅、製造過程では鶏ガラスープを使い、水は一切使っていないんだとか。さらに小エビの香りがブワッと広がり、とっても食欲をそそります。そして、噛んでみると、ゴロゴロした大粒の豚肉があるのに気づきます。これ、中国ハムとされるベーコンのような「金華火腿」と呼ばれるハムで、江南料理に欠かせない食材。日本人が想像するハムとは違い、肉厚で、噛みごたえからてっきりチャーシューかなと思ったほど。柔らかな大根餅と食べ応えのあるハムのコントラストが素敵です。蒸して調理したせいか、大根の自然な甘みが堪能できるのもグッドです。

【マフィンのようなスコーンのような……養生發糕もオススメ】

で、実は今回、大根餅と合わせて「養生發糕」というスイーツもいただきました。蓋を開けてみると出てきたのはマフィンのようなケーキ。今回は4種類あり「酒釀桂圓(酒釀キンモクセイ)」「酒釀蔓越莓(酒釀クランベリー)」「黑芝麻(黒ごま)」「奶皇鹹蛋(カスタード鹹蛋(アヒルの卵の塩漬け))」。カラフルでどれを食べようかワクワクしてしまいます。

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調理方法は2種類。蒸し上げるか、オーブンで焼くか。今回友人がドヤ顔で「ノンオイルフライヤー買ったからそれで調理しなよ」とオススメしてきたので焼くことにしました。推奨調理時間は蒸し上げる場合は5〜7分。オーブンの場合は150度で8分だそう。

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で、出来上がりがこちら。

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食べてみると、カリッと仕上がっていて、食感はスコーン。ほどよいしっとり加減でボソボソすることはありません。そして何よりも香りがいい。この時は奶皇鹹蛋と黑芝麻を食べたのですが、濃厚な味わいで非常に満足感が得られます。

蒸した場合はさらにしっとりとした食感になって、マフィンまたは蒸しパンみたいな感じになるんでしょうね。こちらも好みに合わせてたくさんの調理方法が選べるのがいいですね。

台湾に滞在されている皆さんの中には、旧正月に合わせてパートナーさんの実家などに帰省されたり、友人宅を訪れる機会のある方も多いとおもいます。お土産の選定に困ったら、ぜひ点水楼の年菜をご検討くださいませ!

年末のムードが徐々に高まっている台湾。院内感染を発端とするコロナの国内感染が徐々に広がりつつあり、少しだけ不安ではありますが、穏やかで健やかな旧正月を迎えられればと思っています。

↓詳細について、年菜関連の情報はニュースリリース欄から「2021年菜DM」を、ご注文や商品一覧はメニューの「網購」からヤフーショッピングまたは楽天ショッピングに進んでごらんください。なお、これらの商品は南京店での店頭受け取りとなりますので予めご了承いただき、ご不明な点は各店舗へお問い合わせください。
www.dianshuilou.com.tw

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【小三元】ミシュラン1ツ星レストランにルーツを持つ「黒トリュフ大根餅」は香ばしくて美味!

介風見聞録にお越しいただき、有り難うございます。介(すけ)です。

台湾を代表する超高層ビル「台北101」地下1階のフードコートに「小三元」という飲茶レストランがあります。美味しいのにリーズナブルゆえ、手軽に食べられるので、2019年のオープン以来、足繁く通っています。

そんな「小三元」からこの度、ネット限定で「黒トリュフ大根餅」という新メニューが登場したと聞き、早速そのお味を堪能してきましたのでご紹介します。

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【台北ミシュラン1ツ星の大三元の姉妹店です】

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パステルピンクの壁に、白い天井。いかにも最近のSNS映えを意識した内装のお店。「ポッと出の新しいお店で、内装はよくても、味はそうでもないんじゃないの?」と思ってしまいそうですが、ご安心ください。

実はこのお店、台北駅近くにある老舗広東料理レストランで、台北ミシュランガイド1ツ星を獲得している「大三元酒楼」の姉妹店なんです。小三元のオーナーは大三元の現オーナーの妹さんであるPeipeiさん。日本への留学経験があり、日本語も堪能で素敵な方です。なんでも学生の頃から大三元でお手伝いをしていたそうで、大三元の良さをしっかりと受け継いでいます。

大三元は宴会などに利用される高級店なのですが、小三元のコンセプトは若者にカジュアルに飲茶を楽しんでもらいたいという点。とはいえ、フードコートにありながら、座席は小三元で独立していて、ゆっくりと食事が楽しめます。

↓過去のレビューはこちらからどうぞ(繁体字中国語)

https://www.instagram.com/p/CD2y_IVn3ex/?igshid=oov4gwtsaz9y

www.instagram.com

【黒トリュフ大根餅はネットで事前注文を】

で、今回の黒トリュフ大根餅は、前述のようにネット限定。指定場所への配達のほか、店頭での受け取りも可能です。通常はオーダー後7日営業日でお届けできるそう。ただ、配送量が増える時期に関しては2週間程度の余裕を持って注文してほしいとのこと。2021年の旧正月に間に合わせるには1月末までの注文が必要です。ちなみに、大根餅は要冷蔵で、一番美味しい状態で食べて欲しいということから賞味期間はわずか3日。確実にこの日に届いて欲しいという場合は、備考欄に配達指定日を記入してお問い合わせくださいね。

ちなみに、小三元は大根餅以外に冷凍の点心を販売しています。じゃあ、なぜ大根餅は「冷蔵」なのかというと、凍らせてしまうと解凍した時に水が出てしまい、大根餅のモチモチ食感が損なわれてしまうからだそう。

【実際に調理していただきます】

僕の家にはキッチンがないので、やってきたのは前回のブログでもご紹介した友人宅。

kennethqi.hatenablog.com

黒トリュフ大根餅は贈呈用として利用できるように、おしゃれなパッケージに入っています。

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実は僕、大根餅を調理するのは初めてだったのですが、調理方法は非常に簡単。サラダ油で表面がきつね色になるまで焼くだけです。バターやオリーブオイルは、黒トリュフ大根餅の元々の風味をなくしてしまうので、やはりサラダ油でお願いします。注意が必要だとすれば、柔らかく、崩れやすいので、フライ返しで優しくひっくり返すことくらいでしょうか。

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蒸籠や大同電鍋を使って蒸し上げるのもオッケーだそう。蒸す場合は油を必要としないのでヘルシーにいただけますね。Peipeiさんのお話によれば、焼いた場合は黒トリュフとソーセージの香ばしさが引き立ち、蒸した時には大根の甘さが味わえるとのこと。お好みの調理方法で楽しんでください。

完成したのがこちら。

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しっかりと味が付いているので、醤油はつけなくて大丈夫。特製唐辛子タレがついているので、お好みでご利用ください。

一口食べてみると、口いっぱいにエビの濃厚な香りがぷわ〜んと広がり、食欲を掻き立てられます。柔らかいながらもモチモチの大根餅の食感に、ミンチされたソーセージのちょっと硬い食感が絶妙なハーモニーを醸し出していて、食べ応えも抜群。そして、噛めば噛むほど、後から黒トリュフの香りが広がってくるという、何層もの美味しさが波のように押し寄せる新鮮な味が楽しめました。

この黒トリュフはイタリア産のソースになっているものを使っているそうなのですが、トリュフそのものも混ざっていて、大根餅に点在する黒いツブツブがそれ。

大根餅というと、台湾、香港、韓国などアジア圏で非常にポピュラーな食べ物で、僕自身、何度も食べたことがあるのですが、この黒トリュフ大根餅は、これまで食べたことのない新しい美味しさを届けてくれました。

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豚肉が入っているので、日本への配送ができないのが残念ですが、台北在住の方、ぜひとも召し上がってみてください。そして、旧正月期間などに友人や親族宅を訪問される方も、ぜひ贈呈用として利用してみてくださいね。

【商品情報】

黑松露臘味蘿蔔糕禮盒

内容量:1000グラム

値段:450元

【店舗情報】

小三元 台北101店
住所:台北市市府路45號(台北101 B1)
営業時間:11:00〜21:30(金・土曜、休日の前日は〜22:00)

↓詳細・注文はこちらのウェブサイトから

dimsumyuan.meepshoper.com

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【台湾のお宅拝見】最新の公営賃貸住宅に潜入してみた

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昨年の秋、10年来の付き合いの友人が、「青年社会住宅」と言うマンションに引っ越しをしました。この青年社会住宅は、簡単に言うと公営賃貸住宅なのですが、台湾では近年、台北、新北、桃園、高雄などの大都市を中心に建設が進んでいる比較的新しい制度や規定に基づいた住宅で、大きな注目を集めています。今回、色々買い揃えるものを買い揃えて「遊びに来ていいよ」と言われたので、引っ越し祝いを兼ねて、新築のマンションに潜入してきたのでご紹介します。

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【青年社会住宅とは】

台湾では全国的に、高止まりしている不動産価格が社会問題となっています。賃金は上がらず、若者を中心に住宅の購入はおろか、ルームシェアをしなければ賃貸住宅の家賃の捻出が難しかったり、仮に一人暮らしができても貯蓄する余裕がないという人が多い現状があります。

低所得者向けの公営住宅には、1950年代から建設が始まった「国民住宅」という、国が建設した分譲および賃貸集合住宅があるのですが、2010年代から居住性を向上させた住宅の建設が始まりました。その賃貸タイプが今回取り上げる「青年社会住宅」で、分譲タイプは「合宜住宅」と言います。

で、この青年社会住宅、台北市と新北市の場合、申請条件は20歳以上で、申請する自治体に1年以上本籍を置いている者。さらに家庭の総所得が100万台湾元を超えていないことも条件です。また、65歳以上、障碍者、原住民、低所得家庭、特別な理由がある場合は優先的に入居できるそうですよ。ただ、同じ戸籍内の直系家族または配偶者名義で住宅を所有している場合は、申請ができません。

僕の友人は新北市で申請をしたのですが、原住民+低所得というダブルコンボで3倍の競争率をかいくぐり見事当選し入居と相成りました。ちなみに一回の契約は3年間。状況に応じてさらに1度契約を更新することができ、最長6年入居できるそう。友人の場合は、上記の理由から最長12年暮らせるんだとか。

【豪華なマンションでさながら小さな街のよう】

某MRT駅から徒歩5分。元々休耕地だった再開発地に建てられていたのは、18〜22階建てのマンション4棟。Ⅰ.5haの敷地に約1000戸の部屋があるそう。基本的には単身者用のワンルームが全体の7割を占め、残りがファミリー向けになっているんだとか。

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Ⅰ階ロビーには管理人が常駐し、セキュリティもまずまず。コンビニやコインランドリー、入居者が利用できるジムなどもあるほか、カルチャースクールなどの講座が開ける会議室、託児所、遊具なども完備しています。地下には駐車場、駐輪場もあります。路上駐車が基本の台北や新北市の市街地では、地下にきちんと駐車スペースがあるのは嬉しい限りです。

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僕は小さいころ、多摩ニュータウンの都営団地で暮らしていたことがあるのですが、それとは大違い。ただ単に住宅を建てるという訳ではなく、小さな街を作り上げるといった感じ。まぁ、1000戸あればそうなりますよね。

【約12畳のワンルームは家賃7000元】

友人が当選したのは約12畳のワンルーム。家賃は月7000元。家賃は僕の部屋と変わらないですが、2倍の広さがあります。ただ、この家賃は僕の友人の場合であり、同じ間取りでも入居者の条件が違えば、また違った家賃になるそう。

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クーラーと湯沸かし器、IHコンロと換気扇、クローゼット、ベッドが備え付けてありました。友人はソファ、ダイニングテーブル、テレビ、衣類掛け、冷蔵庫、洗濯機、収納棚などなどを追加購入。元々実家暮らしだったので、改めて買い揃えたものがかなり多かったようです。

さすが新築のマンション。明るくて清潔で居住性は抜群。小さいですがベランダもあります。浴室にはバスタブはないものの、床はバリアフリーながら非常に排水されやすい構造になっているほか(←台湾の住宅ではここが重要)、滑りにくく、速乾性のある材質のものが使われていました。しかも、浴室乾燥機付き。

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そして友人6人で騒いで気づいたのは、台湾の住宅では珍しく、防音がしっかりしていて、廊下にいても部屋の音がほとんど聞こえないということ。「すげー!!!」と感嘆しきりでした。

問題があるとすれば、広大な土地に建てられたので、近隣に飲食店やスーパーなどがなく、徒歩ではちょっと生活しづらいということ。まぁ、スクーターがあれば特に不便は感じないでしょう。台北市の社会住宅の場合は割と利便性が高いようなので、条件さえ合えば台北市で申請してもいいかもしれません。それだけ倍率が上がるかもしれないわけですが。

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何はともあれ、友人が新たな生活を始めて嬉しい限り。しかも僕の家からスクーターで15分もかからない場所なので、暇さえあれば遊びに行けるのも便利。実際に足を運んでみて、僕も申請したいなぁと思ったのですが、当然のごとく外国人の申請はできないそうなので、当面今の家に住み続けることになりそうです。

 

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台湾人の友達を作りたいと言ったあなたへ

介風見聞録にお越しくださり、有り難うございます。介(すけ)です。

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少し昔の話になるのですが、台湾で大学院を卒業し、仕事をし始めた時、ある日本人男性から「台湾人と友達になるにはどうしたらいいか」といった旨のメールをもらったことがありました。正直「(状況が人によって違うので)知らんがな」と思う質問だったのですが、ふと考えてみると、台湾が好きな人、興味のある方なら一度は思ったことのある願いだと思うのと、もし自分だったらどうするかと今でも時折思い出しては考えさせられる記憶に残る質問になっているので、自分なりの考えを書きたいと思います。

【日本人男性からの切実な願い】

メールをいただいたのは2013年ごろだったでしょうか。東日本大震災における台湾の支援を契機に日本で台湾への注目が特に高まった時期です。会社のお問い合わせにメールが届き、台湾人の友人がいる台湾在住日本人ということで僕に回ってきました。

差出人は、どうやら西日本に住む中年の男性。記憶では大阪ではなく、ちょっと距離のある場所だった気がします。台湾にとても興味があり、どうにかして日本語のできる台湾人男性と友達になって認識を深めたいという内容でした。

確かに、日本での日常生活を送っていると、都合よく台湾人と知り合える機会はそうそうあるものではありません。また、学生であれば留学生サークルを通じていくらでも出会う機会がありそうですが、社会人になってしまうと、なかなか簡単にはいかないのも想像できます。

実際、超絶人見知りの僕自身も日本の大学に通っていた頃、台湾人の友人は本当に偶然知り合うことができた留学生3人だけ。それでも、今考えると本当に幸運なことだったと思います。

で、その時に回答した内容は、「突然友達になるというのは難しいから、まず西日本で開かれる台湾グルメフェスや観光関連のイベント、自分の興味のある分野の集まりに足しげく通って、台湾人を見つけて、お知り合いから始めてみてはどうか?」という、ごくごく当たり障りのないもの。差出人がその後になって返信をしてくれたのかは覚えていないのですが、今でもこの人に台湾人の友人ができたのか気になっています。

【自分の立場になって考えてみる】

ただ、メールには書けませんでしたが、僕の率直な感想をいうと、ある日本人が「台湾のことが大好きだから台湾人と友達になりたい」といって台湾人にアプローチした時、その台湾人は反応に戸惑ってしまうのではないのではないでしょうか?なぜなら、僕の経験上、親しくない台湾人から「日本人の友達がほしいから友達になってほしい」といわれて、嬉しいと感じることがとても少ないからです。

いや、もちろん台湾人が日本に興味や好感を持ってくれていることについてはとても嬉しいですし、光栄なことだと思います。ですが、「日本人だから」といって寄ってくる人は、「日本人なら誰でもいい」という考えを持っているように感じてしまいます。

数年前、友人に連れられ、ある集まりに参加した時、全く知らない大学生から、「日本語を学んでいて文化に興味がある。中国語や台湾の文化について教えられるから、日本語や文化を教えてくれないか?」と声をかけられました。

有り難いお誘いではあるのですが、おかげさまで僕は中国語に困っていないですし(特段上手いわけではないですが)、分野によっては台湾人より台湾に詳しかったりして、一丁前に語学力や台湾に関する知識でお金を稼いでいます(雀の涙ですが)。見ず知らずの台湾人に、無償で日本語や日本文化を教える理由がわからず、「僕という人間に興味があるというなら理解できますが、ただ単に学習のため、日本人と知り合いたいためという理由であれば、お断りします」と断ってしまいました。(性格悪いですね)

仮に僕に台湾人の友達が一人もいなかったり、中国語会話の練習相手を探しているというのなら話は別なのですが、そうではない場合、「日本人だから」といった理由で近づいてくる人に、とても申し訳ないのですが魅力を感じませんでした。

逆を言えば、日本で暮らして日本語が話せる台湾人に、面識のない日本人が「日本語や日本文化を教えられるから、台湾のことを教えてほしい」と声をかけることも同じなのではないでしょうか。

日本語学習者の中には、日本のドラマや歌手、文化にとても強い関心がある人たちがいますが、僕はそもそも日本にあまり関心がない人間なので、仮にそんな台湾人と知り合ったとしても共通の話題がなく、友人関係が成り立たないケースが多々有ります。

台湾にいる日本人同士でも、誰とでも友達になれる人はよほど社交的な限られた超人なはずですし、言葉も文化も違う人同士であれば、友人関係に発展する可能性は非常に小さいはずです。

実を言うと僕も、台湾に住む香港人や交通関係の中の人で友達ができたらいいなぁとは思うのですが、実際に知り合って仲良くなれるかは別の話なので、やはりこれもご縁に任せようと思っています。

【全ては縁だけれど、努力すれば近道できるかもとは思う】

友達というのは作りたいから作れるものではなくて、元も子もない言い方ですが、全てはご縁があっての話ですよね。知り合って、そしてお互いがそれなりに努力した上で、ゆっくりと友人関係が構築できるはずです。語学習得のため、理解深化のための手段として友達を作るというのは、なにか間違っている気がしてしまいます。なんなら台湾人の先生が開く中国語教室に通ったり、作家の片倉佳史さんの講演会や勉強会に参加することの方が、収穫が多いと感じます。

逆に中国語がそれなりに話せたり、台湾のことに十分に詳しくなったり、または台湾人が興味を抱くことに熟知していると、そのチャンスはもっと増えるのではないでしょうか?僕も広東語が自在に話せるようになれば、台湾で暮らす香港人とも仲良くなれるきっかけができると思っています。

幸運なことに、僕は少ないながらも濃ゆい関係の台湾と香港の友人に恵まれ、15年以上の付き合いになる人も出てきました。でもそれは、なにか目的があってというよりも、偶然が重なって、ケンカもしながら、いつの間にか大切な関係になっていたので、長いスパンで考えた方がいいのかなと思います。

上から目線になってしまうかもしれませんが、冒頭のメールを差し出してくれた方を含めて、まだ台湾人の友達がいないという人にも、いつか素敵な出会いがあるといいなぁと願っています。

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【神出鬼没のグルメ】臭豆腐の移動販売車を追え!

介風見聞録にお越しいただき、有り難うございます。介(すけ)です。

比較的日本人の口に合うとされる台湾グルメの中で、美味しさをめぐり論争が巻き起こる「臭豆腐」。僕は大好きです。よく食べるのは香ばしい揚げた臭豆腐で、ニンニクがたくさん入った醤油ダレが美味しさを引き立ててくれます。付け合せのキャベツのお漬け物もさっぱりしていていい口直しになり、ビールにもよく合うんですよね。

1〜2週間に一度は食べたくなる臭豆腐、家の近くにお気に入りのお店があって足繁く通っているのですが、それとは別に、臭豆腐を売りに来る移動販売車が巡回してきて、それを楽しみにしています。

ただ、この移動販売車、一週間のうちに何度か見かけるものの、そのタイミングが完全なる不定期。食べたいと思っている時には来てくれなくて、お弁当を買って帰る時に限って家の前にいたりします。ジョギングコースにいることもあるのですが、ジョギングを中断するわけにもいかないのでなかなかありつけず……。食べられた時はとても嬉しい気持ちになります。

【一つの場所に滞在する時間は30分程度】

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なかなかありつけない最大の理由は、不定期ということにあると思うのですが、さらに購入の難易度を高めているのは、毎回車が停まっている場所が微妙に違うこと。何度か見かけるたびに「なんとなくの定位置」があるのは理解できたものの、その日のスペースの都合などいろいろな事情があるのか、毎回どこに停まっているのか本当に謎なんです。

そして、一カ所に滞在する時間もどうやら30分程度。客足が途切れると、途端に別の場所に移動してしまいます。一度ジョギング中に移動する瞬間を見かけた時は、はじめにいた場所から徒歩3分もかからない場所に移動していたのですが、路地裏だし、普段通る道じゃないし、一度見失ったら再度見つけるのは割と至難の業です。

僕の家の近くには大体午後5時〜6時にいて、少し離れたジョギングコースでは同9時くらいに見かけることが多いのですが、とにかく神出鬼没です。

【破格の安さ。臭豆腐(小)は45元。豆花も売ってます】

で、メインの臭豆腐は小と大のサイズがあり、小は45元。台北の臭豆腐で45元というのはかなりお安い金額です。少々小ぶりかもしれませんが、僕は夕食がこれでもまぁまぁ満足出来る量。足りなければ統一プリンをコンビニで買って食べます。

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お味も文句無しの美味しさ。とびきり美味しいかと言われると、ごくごく普通の味なのですが、安さで考えると文句のつけようがありません。あと、車にフライヤーが搭載されているので、しっかりその場で揚げてくれて、出来立てが食べられるのがいいですね。(出来合いの臭豆腐を出すお店を見たことはないですが)

そしてもう一つのメニューは台湾スイーツの代表である豆花。トッピングは小豆やピーナツなどから選べるとてもシンプルな形態で、こちらの味も、まぁ、可もなく不可もなくなのですが、臭豆腐を食べた後の口の中をリフレッシュしてくれるのがグッドです。

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【巡回ルートが決まっているか聞いてみた】

で、この前買った時にオーナーさんに聞いてみたんです。「巡回ルートは決まっているんですか」と。

その答えは……

「決まってないねぇ。どこにいるかはFacebookで問い合わせてよ」

まぁ、過去の目撃経験からして、そうでしょうね。

で、Facebookを見ると、どうやらこの巡回車、基隆からわざわざやってきているみたいなんです。そして基隆地区は月・木・土曜に、台北地区には火・水・金曜日に巡回しているんだとか。そしてなんと、取り置きや指定の場所に来てくれることも可能な模様。

しかしながら10月22日の投稿を見ると「文山区17〜19時の販売地点は不定。電話予約や場所の指定はできません」との文字。うん、やっぱり神出鬼没なのね。

実は随分前のことなのですが、違法駐車で違反切符を切られているのを目撃したことがありまして、もしかしたら、文山区の警察に目をつけられているのかもしれません。笑

【なんとなく事情がありそうだけれど、みんなに愛されているっぽい】

引き続きFacebookを眺めてみると、コメント欄には結構ファンとみられる人たちからのメッセージが寄せられているほか、小学生に対しては「100点を取ったテストを見せてくれたら豆花一つプレゼント」という心憎いサービスも行っているみたいです。

以前僕のFacebookにこのお店のことを投稿したら「松山区でも見たよ!」とコメントしてくれた友人がいて、台北地区も、文山区に限らず色々な場所を巡回しているようです。文山区での販売にはいろいろ裏事情がありそうですが、みんなに愛されているんでしょうね。

神出鬼没の臭豆腐の移動販売車。次はいつ食べられるのかなぁとワクワクしながら、チャンスの到来を待っています。

みなさんも街角で見かける機会があったら、ぜひ買ってみてくださいね。

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【崎陽軒】オープンから3カ月、「率直に」シウマイ弁当の感想を語ってみた

介風見聞録にお越しいただき、有り難うございます。介(すけ)です。

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台湾鉄路台北駅の1階に今年8月、横浜の崎陽軒のお弁当屋さんができました。オープン直後には日台双方のメディアに取り上げられ、行列ができる盛況ぶりが伝えられたのも記憶に新しいところです。オープンから3カ月経った12月、僕もやっと食べることができたのでその感想を「率直に」お伝えしたいと思います。

お断り:内容はあくまでも個人の感想です。

【僕にとっても思い出の味、崎陽軒のシウマイ】

崎陽軒台湾進出のニュースを受け、盛り上がったのは在台日本人のツイッター。横浜のお店なので崎陽軒のシウマイに思い入れがあるのは関東圏の人だけだと思っていたのですが、意外なことに、僕の知り合いの関西人、中京人にも食べたことがあったり思い入れのある人がいたようで、まさに崎陽軒恐るべし。

崎陽軒への思いれがあるのは僕も例外ではなく、子供のころ、母方の祖母が遊びに来る時、お赤飯かシウマイを買ってくるのが恒例で、それを楽しみにしていた記憶があります。当時、そのシウマイが崎陽軒のものだったことは全く知らなかったし、それがどこのものか意識すらしていなかったのですが、家にコレクションされていくヒョウタンのしょうゆ入れが大人になってやっと崎陽軒のだったということに気づき、あの美味しいシウマイは崎陽軒のものだったことを知りました。

で、僕も期待をしていた崎陽軒のお弁当。ただ、なかなか食事時に台北駅を通りかかることがなく、結局オープンから3カ月も経った12月13日に台北駅の近くで用事があり、やっとこさ訪問となりました。

【並ばずに買えた、175元の冷えたシウマイ弁当】

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崎陽軒があるのは台北駅1階の北側。新光三越のある南側から入ったら、切符売り場を抜け、旅行代理店のカウンターや台南ハヤシ百貨のサテライト店舗を抜けた、モスバーガーのあるあたり。

僕が訪れた土曜日の午後5時は、夕食としてはちょっと早い時間ではあるのですが、直前に通りかかった台鉄弁当のお店では、ちょうどセントラルキッチンから運ばれてきた出来立ての駅弁がまさに山積みになってお客さんを今か今かと待ち構えている状態でした。とはいえ、駅にはたくさんの人で賑わっていたものの、お弁当を買うための行列は皆無。
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そしてやってきた崎陽軒。こちらも行列はなく、陳列されていたのはこちらの商品たち。

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看板メニューであるシウマイ弁当は一つ175元。

えぇ、175元です。

やっぱりですね、とってもいい値段なんですよ。台鉄弁当なんて一番安いスペアリブ弁当「台鐵傳統排骨便當」は60元。一番人気のスペアリブ弁当「台鐵排骨八角木片盒便當」でも 80元。以前台鉄の担当者さんにお話を聞いたところ、100元の弁当も一定の需要はあるものの、人気はぐっと落ちてしまうと言ってらっしゃったのを思い出しました。崎陽軒も台湾進出に先駆けてきちんとリサーチしたと思うのですが、この値段で出せるというのは本当に大きな決断だと思います。

僕の好きなケンタッキーのチキン2ピースとドリンク、フライドポテトのセットだって150元。崎陽軒のシウマイ弁当はそれよりもさらに高いんです。日常的に食べるものではなく、なにか特別な日に食べるお弁当といった感じですね。

で、実際に店頭でお弁当を手にして感じたこと。

「、、、冷たい」

多分食事の時間帯直前だったからたまたま冷たいのしか残っていなかったのだと思います。そして、崎陽軒のシウマイが「冷えてもおいしい」ということは僕も重々承知しています。けど、台湾市場向けにあったかいのを提供するんじゃなかったっけ?

台湾で暮らして長くなると、冷えひえのお弁当というのはよほどのことがないと食べる機会がなく、思わず「この容器は電鍋で温められますか?」って聞いちゃいました。

で、店員さんの回答は「できます。でも、当日召し上がるならそのままで大丈夫です」とのこと。

実は、僕が購入した際、その真横でシウマイが蒸されていて、熱々のものがまさに準備されているタイミングだったんです。確実に僕の行った時間が悪かったんですね。ただ、台湾市場向けに熱々を売りにしているのであれば、日本の持ち帰り弁当のように注文が入ってから加熱調理したり、炊飯器からご飯をよそって提供したりすることも可能だったのではないかと思ってしまいました。

まぁ、僕の場合は台北駅からMRTで40分かかる郊外に住んでいるので食べる頃にはどんなに熱々を買っても冷め切ってしまうのですが(←

でも、購入直後に電車に乗って食べたいといったお客さんでも、時間帯によって熱々が食べられないってちょっと残念。台北駅の地下にセントラルキッチンがあり、比較的どの時間でも暖かいものが食べられるように工夫されていて、お値段も非常にリーズナブルな台鉄弁当とは大きな違いを感じてしまいました。

【日本のお弁当らしい間違いない美味しさ。でも、、、】

ちょっとだけ出鼻をくじかれた感が若干漂うものの、実食と行きましょう。散々「冷えひえだ」といいましたが、台湾人の店員さんがそのままでいいと言ったので、それを信じてそのままでいただきました。

全体の印象からすると、見た目は完全に日本のお弁当。懐かしさすら感じられます。ただ、台湾のお弁当と比較すると明らかに小ぶり。「うん、これで175元ね。いや、美味しいんだよ、絶対」と自分を半ば説得しながら、箸を手に取りました。

まずはご飯。カリカリ梅が中央に鎮座するいわゆる日の丸弁当ですが、これは台湾ではなかなか見られないビジュアル。日本人としてちょっとテンションが上がります。ご飯自体はぎっしり詰まっていたものの、一粒一粒がしっかりしていて、噛めばモチモチ。カリカリ梅も日本と全くといっていいほど同じ味。滷肉飯の付け合わせのたくあんを日本と同じイメージで食べると全く違う味でがっかりするようなこともなく、美味しくいただきました。

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続いて、シウマイ。シウマイ弁当の中には3つ入っていて、しょうゆとカラシをつけていただきます。元々は広東料理である燒賣を日本風にアレンジした崎陽軒のシウマイ。今回日本から満を持して台湾に進出した気になるお味はいかほどなのか、期待が高まります。

 

「美味しいけど、、、台湾でも飲茶とかで食べれそうな味じゃね?というか、夜市にある港點(港式點心)を売る屋台にも、もち米団子の中に豚肉が入ったやつで似たようなのあるよね」

 

そうなんです。崎陽軒の売りとも言えるシウマイが、まさかのあたりさわりのないお味に感じられてしまいました。いや、普通に美味しいんです。僕の記憶の中にあるシウマイの味となんら違いはなかったんです。でもね、、、なんか、事前の期待値を勝手に上げすぎしてしまったのかどうかは分かりませんが、正直、驚きと感動はなかったです。

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そんな中で意外だったのは、1個だけ入っている唐揚げが美味しかったこと。皮はシナシナながらもしっかりと味がついていてグッド。厚みがあるのも食べ応えがあります。そして中もモキュモキュした弾力のある歯ごたえが病みつきになりそうな感じ。台湾にも日本式の唐揚げがありますが、味、食感、どちらも崎陽軒独自のもので、これ、唐揚げをメインに唐揚げ弁当を売った方がいいんじゃないの?と思えるレベル。

あとは、コリコリの歯ごたえがたまらない筍の煮付けと、卵焼きと、かまぼこ。あと、本当に申し訳程度の紅生姜と昆布の佃煮が付け合わせとして入っていました(別の方が書いたブログを拝見すると、その人が食べた弁当の紅生姜と昆布はもうちょっと量があったのですが、僕のはほんのちょびっと)。このラインナップも台湾のお弁当にはない組み合わせな気がして、「ザ・ジャパニーズ・ベントー」といった独自性を感じられましたよ。

繰り返しになりますが、個人的に感動できた点は、カリカリ梅と唐揚げ。シウマイどこ行った?

【正直言って、台湾人に自信を持ってオススメできない】

ネガティブな感想が多くなってしまい、不愉快に思われた方もいるかもしれません。ここでお詫び申し上げます。

崎陽軒の方々、それに関係する方々のための名誉のために言いますと、シウマイ弁当の味だけでいえば、日本のお弁当そのままの味でとっても美味しかったです。持ち帰る時でも懐かしい記憶が蘇ってきてワクワクしたりと、崎陽軒のシウマイを食べたことのある人なら、味だけでなく、崎陽軒ブランドにまつわる色々な思いが重なって、楽しい食事体験となること請け合いです。

ただですね、このシウマイ弁当を、台湾の友人にオススメできるかというと、話は別です。

日本でポピュラーなお弁当なんだよといっても、場合によっては冷めているし、しかも、メインがシウマイで日本式中華。安定の美味しさだけれど、目新しさがなく、で、台湾の弁当よりも小ぶりで175元。「美味しいから一緒に買って食べよう」とはいえないです。

そもそも台北駅の各所には1日に1万食を売り上げる台鉄弁当が台湾人の胃袋をしっかりとつかんでいるし、すでに別のお弁当屋さんもたくさんあります。さらに台北駅の2階のフードコートに行けば、300元以上の値段はしますが、熱々の出来立て日本料理が食べられるレストランばかり。

そんな中で、わざわざ崎陽軒のシウマイ弁当を台湾人にオススメする理由が出てきません。もちろん、台湾にも老舗ホテルや有名レストランなどが販売する1食200元前後、もしくはそれ以上の高級弁当はありますが、台湾人の間で知名度が高いとはいえない崎陽軒がそれと真っ向勝負して勝算があるのか甚だ疑問です。非常に申し訳ないですが、僕は2度目はありません。

ただ、在台日本人や日本留学組で崎陽軒への思い入れがある人なら、日本を手軽に感じることができ、思い出に浸れるお弁当だと思います。

崎陽軒さん、ぜひ頑張ってください。

 

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【新竹・新埔】干し柿で有名な客家の街へ日帰り旅行

介風見聞録にお越しいただき、有り難うございます。介(すけ)です。

亜熱帯に属する台湾北部は、一応春夏秋冬の四季があるものの、日本と比べ、春と秋がとても短く感じられます。ただ、今年は秋がとても長く、例年よりも過ごしやすく感じられる日々が続いていました。(12月に入り冬らしくなりましたが)

そんな11月の末に、週末を利用して、新竹県新埔へ日帰り旅行をしてきました。台湾の中でもかなりマイナーな都市なのですが、非常に歴史のある場所なのと、最近インフルエンサーに人気の写真映えスポットがあり、楽しく観光してきました。

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【人口の約9割が客家人ののどかな街】

今回訪れた新竹県新埔。正直言って、今回訪問が決まるまで僕も全く知らない場所でした。というのも、鉄道や高速道路が通っていないのと、新埔という地名は実は台湾全土に結構よくある名前だったからです。

新埔鎮公所のウェブサイトを見ると元々は「吧哩嘓」と呼ばれ、平埔族が暮らしていた場所で、1784年頃に漢人が移住したそう。ただ、その直後の1786年には清朝統治に反対する彰化の閩南人・林爽文を中心とした反乱軍と清朝の間で争いが起き(林爽文事件)、清朝側に立った新埔を含む桃園・新竹・苗栗の客家人は義民軍と呼ばれる義勇軍を組織し抵抗したそう。最終的には清朝側の勝利で終結するのですが、その後戦死した勇士たちを祭る義勇廟(当時の名称は集義亭)が新埔に建立されると、新竹一帯の客家人の信仰の中心として発展。さらに茶葉や樟脳、サトウキビの生産でも栄え、かつては竹塹と呼ばれた新竹中心部と遜色ない都市の規模だったと言われているんだとか。

現在では農業が盛んで、夏に梨、冬にミカン、秋に干し柿が収穫・生産されています。特に干し柿は九降風と呼ばれる新竹名物の秋から冬の季節風と好天に恵まれた地理的条件から多く生産されていて、干し柿農園で行われる天日干しの様子が写真映えするということで近年特に大きな注目を集めています。

【まずは老街で客家料理をいただきます】

友人が運転する車で台北を10時30分に出発。週末の午前ということで高速道路が少々渋滞したものの、12時15分頃に新埔に到着しました。

今回訪れたのは老街(オールドストリート)の一つ、和平街の近くにある「聞香來小館」という客家料理レストラン。「粄條」と呼ばれるきしめんのような麺の焼きそば、茹でた豚の腸に大量の生姜とお酢を絡めた「薑絲大腸」、豆干にセロリ、イカなどを甘辛く炒めた「客家小炒」、からし菜を乾燥させた梅干菜と豚の角煮を合わせた「梅干扣肉」などなど、客家料理の定番メニューをいただきました。台北は意外と客家料理が食べられるレストランが多くないんですよね。なのでこういった代表的な料理があるだけで嬉しかったりします。

聞香來客家美食小館

新竹縣新埔鎮廣和路21號

(03)588-1998

月・火曜定休

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【趣ある老街をお散歩】

新埔を街歩きする時のメインストリートは和平街と成功街。和平街には伝統市場のほか、潘屋という地元の名主・潘家の三合院が非常に綺麗な状態で保存されているほか、家廟と呼ばれる大家族によって建立された私廟がいくつも残り、一目で清朝時代の建物が現存しているのが印象的で歴史を感じられます。これらの建物には今でも人が暮らしていて、一般への開放もなし。外観を覗かせていただく形になるのですが、伝統家屋が本来の形で使われ続けていることこそが本来あるべき姿なのかもしれません。

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伝統市場には、木の繊維で作った枕や椅子、籠など、なんとなく懐かしいグッズを売る雑貨屋さんや鮮やかな台湾フルーツを売る屋台、凄く古めかしいけど常連客で賑わう食堂など、薄暗いですがとても活気がありました。地方都市ならではの生活感溢れる光景が広がっていてとてもよかったです。

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バス通りの中正路にある老舗中華菓子屋さん兼パン屋さんの「呂順興餅店」にも足を運びました。「炸蛋麵包」(爆弾パン)と呼ばれるレモンのような形状の台湾独特のパンがあったり、タロイモやカボチャのお饅頭があったりと、昔懐かしい台湾のパンや中華菓子が売っているお店。観光客だけでなく地元の人も買い付けに来ていました。一緒に行った先輩はタロイモ饅頭をお土産にと購入していましたよ。

呂順興餅店

新竹縣新埔鎮中正路312號

(03)588-2232

6:30~22:30(日曜〜21:00)

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日本統治時代に新埔公学校だった新埔國小の横には、歴代の校長とその家族が暮らしたという日本家屋の校長宿舎が修復された上で残されていて、展示や交流イベントを行う多目的施設として利用されていました。まぁ、率直な感想を言うと、この手の宿舎は台湾全土にあって、造りもだいたい一緒。ですが、この地にも日本統治時代があったことを物語る大切な歴史的資産。保存、活用に尽力してくださった方々に敬意を払って参観することが大切なのかなぁと思っています。

新埔鎮宗祠客家文化導覽館

新竹縣新埔鎮中正路366號

(03)588-3909

8:30~16:30

日曜定休

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その裏手にあるのが、前述の林爽文事件の後に建立された義勇廟。裏山を少し登ったところにあるのでてっきり日本統治時代の神社後なのかなと思ったのですが、それよりも遥か前から存在していた名勝だったのでした。

義勇廟

新竹縣新埔鎮中正路776號

(03)588-1311

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もう一つの老街である成功街にも古い家屋がたくさんありました。そこで訪れたのは、日本統治時代から三代に渡って続く創業100年のアイスキャンディー屋さん「義順製冰廠」。たくさんのフレーバーがあるのですが、こちらの名物は新埔名産のキンカンアイス。

僕たちが訪れた際にもお店の傍で収穫されたキンカンの皮を剥く作業が行われていて店頭には爽やかな柑橘類の香りが漂っていました。

お値段はなんと破格の12元。

ほどよく甘くてえぐ味はなく、すっきりとした味を楽しみました。

義順製冰廠

新竹縣新埔鎮成功街99號

(03)588-2143

6:30~20:00

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【お待ちかねの干し柿観光工場】

そして新埔の老街から車で約5分にあるのが「味衛佳柿餅觀光農場」という干し柿の観光工場。徒歩でも山道を登りながら20〜30分で来れるみたいです。

僕たちが訪れたのは午後3時前の最混雑時間帯。駐車場もかなりの台数が停められるようになっていたのですが、10分ほど待ちました。観光バスで乗り付ける団体客も結構いて、老街よりも賑やか。柿や農産物を売る屋台もあり、まるで日本のお祭りのような感じでした。

観光農場といっても、敷地内には伝統家屋の三合院が鎮座していて、地方のちょっと規模の大きい農家にお邪魔したような感じ。ただ、一面に柿が天日干しされていて、本当に圧巻。どこでカメラを構えてもいい写真が撮れるといっても過言ではありません。

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ただ、かなりごった返しているので、ベストショットを撮ろうとすると色々大変かもしれません。おすすめは午前中の人が少ない時間帯だとか。

それでも、大量の柿に囲まれる不思議な空間で、加工している様子が間近に見らるのは、非日常でちょっとワクワクします。

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で、干し柿をいただきました。実は日本でも干し柿を食べた記憶がなく、日本との比較ができないのですが、「干し」と言っても半生なんですね。少し冷やされていて、まず一噛みすると大福に包まれた羊羹のような食感。それでいてさらに噛んでみると果肉がシャリシャリしていて面白いんです。台湾茶と合わせたら凄くおいしんだろうなぁと感じましたよ。客家人の友人は、柿のアイスキャンディーが美味しいんだよとオススメしてくれたのですが、その時僕はすでに台北への帰路についた頃。次回チャレンジしたいと思います。

あ、で、工場ではあったかい柿のお茶も振舞われていました。これまたほのかに柿の味がして美味。柿好きにはたまらない場所かもしれません。

味衛佳柿餅觀光農場

新竹縣新埔鎮旱坑路一段283巷53號

(03)589-2352

8:00~18:00(9月〜12月ごろの季節限定)

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【客家文化といえば擂茶も忘れてはいけません】

最後に訪れたのは、新埔老街から車で15分ほど、九芎湖と呼ばれる場所にある陳家休閒農場。客家名物の擂茶をいただきます。

擂茶の極意は自分でピーナツやゴマ、茶葉、砂糖などの材料をすり鉢で擦ること。顆粒のものがなくなり、油が出てペースト状になるまで擦るのですが、結構な重労働。以前某有名ブロガーに誘われ、一人で擦りすりしていたら、汗だくになり、30分近くかかりました。

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今回は友人らと分担したので割と早くできたのですが、それでも20分くらいかかったかと。普通のお茶よりも香ばしく、飲むスイーツのような感じ。お腹も適度に満たされます。

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こちらもグループで行ったらワイワイ楽しくお茶ができますよ〜。

陳家休閒農場

新竹縣新埔鎮照門里九芎湖6鄰29號

(03)589-0034

9:00~17:00(土日曜〜18:00)

 

新埔は新竹県北埔や苗栗県南庄と比べてかなり控えめな客家の街だったのですが、のどかさや落ち着きがあり、とても心地のいい旅ができました。

実は高鉄の新竹駅から近くてタクシーなら約20〜30分で到着できる距離。路線バスだと、新竹駅を起点に、途中竹北駅を経由する新竹客運の5619番バスで約40分。竹北駅からなら5621番バスも利用できて約20分で来られるみたいです。

干し柿の天日干しが見られるのは12月末まで。日帰り旅行をぜひ楽しんでくださいね〜。

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