先日X(旧ツイッター)のタイムラインを眺めていたら、「日本・台湾にとっておキャセイの魅力ってなんだろう」というフォロワーさんの呟きを拝見しました。確かにそう言われると、台湾在住である僕が台湾系航空会社ではなく、あえてキャセイを選んで乗っていることを不思議に思う方がいらっしゃるのは至極当然な気がします。なのでこの機会に、台湾に暮らしていながら、なぜキャセイにこだわって乗るのかを、改めて整理してみました。
日本・台湾にとっておキャセイの魅力ってなんなんだろうか…?
— 白ちゃん (@rapidsunport) 2026年5月6日
安さとサービスのバランスがちょうどいいとか、その辺で愛されているのだろうか
介風見聞録にお越し下さり、ありがとうございます。介(すけ)です。
このブログの読者は9割が日本人の方のようなので、こんなことを書いても誰の参考にもならなさそうなのですが、こんな変な奴もいるんだよと言うことを知っていただけたら嬉しいです。
※キャセイの回し者のような内容になりますが、プロモーション案件ではありません。
キャセイ会員になったきっかけ

僕は2005年に交換留学生として台湾での生活を始めました。ただ、学生の身分で頻繁に海外旅行なんてできるはずはなく、はじめは特にひいきにしている航空会社もありませんでした。
そんな中、僕と同様、台湾留学組でアジアフリークで、キャセイに乗り続ける日本人の先輩がおり、彼に影響されて大学院在学中の09年に、当時数十ドルの入会費だか年会費を払い、当時のマルコポーロクラブに加入しました。
↓僕をキャセイに沼らせた元凶
そう。今では無料で加入できるキャセイ会員ですが、コロナ前は有料だったんですよね。ただ、一度支払ってしまえば次年度も引き続き会員を維持できていました。
しかも例え最下位ランクであるグリーン会員でもあっても、空港ではビジネスクラスカウンターの利用が可能で、ビジネスクラスに次いで優先搭乗もできたのでした。また、香港空港の自動化ゲート「Eチャンネル」も無条件で申請が可能でした。(Eチャンネルに関してはコロナ後の制度改変により、シルバー会員以上であることが申請の条件となりましたが、26年にこの条件が大幅に緩和され、キャセイ会員であることのメリットはほぼなくなりました)
あと、会員のせいだったかは不明ですが、コロナ直前までは非常に多くのインボラアップグレードをしていただき、何度か贅沢な旅を楽しませていただきました。
まぁ、もう全て過去の話なんですけどね。
ブランドイメージこそ魅力

じゃあ、何でまだキャセイに乗り続けているのか。
端的に言えば、意地です。台北から東京に行くのに、わざわざ香港経由だなんて、まさに狂気の沙汰。自分でも重々承知しています。
しかしながら、自分の人生を振り返ると、そもそも中国語やアジアという地域に強い関心や興味を持ったのは中学生の時に、香港を拠点に活動していた中国人歌手、フェイウォン(王菲)にハマったのがきっかけ。2000年代までアジアの経済、文化の中心であった香港に並々ならぬ憧れを抱き、自然と香港文化の象徴であるキャセイに特別な感情が芽生えていました。
香港に思い入れがあるのはどうやら僕だけではないようで、台湾人の目線で見ても、現在50代の人々は、いわゆる「哈日族」の世代であるのと同時に香港のエンターテインメントの影響を受けている世代とされていて、他の世代と比べて香港への思い入れが若干強い印象を受けます。なので、憧れの対象の一つであるキャセイにあえて乗るという人は少なからずいるはずです。
余談ですが、台湾には日本が好きだから航空会社も日系に乗るという人もいます。
「ちょうど良い」がいっぱい

もちろん、そんな個人的な感情を抜きにしても、キャセイには「ちょうど良い」がいっぱいあると感じています。
その一つは、台北が小さいながらハブとして機能していること。
キャセイは台北から成田、中部、関西への便を飛ばしています。(コロナ前には福岡、ソウル便も飛ばしていました。こちらは切に復活を希望します)2010年代から台湾系航空会社は積極的に日本の地方空港に直行便を飛ばし、キャセイは就航地数では全く歯が立たないものの、少なくとも日本の3大都市圏はカバーできており、東京と香港を頻繁に行き来する僕や、香港好き+日本好きの台湾人の需要を満たしています。
二つ目は、香港からの就航路線が台湾人のニーズに合っていること。
かつてキャセイ会員だった友人は、以前貿易関係の仕事をしていて中東方面への出張が多かったのと、欧州旅行が好きで、キャセイを好んで選んでいたようです。中国出張が多い別の友人も直行便ではなく、あえて香港乗り継ぎを使うようでした。
以前台湾人キャセイCAの友人に聞いた話では、南アフリカ・ヨハネスブルグ線は台湾人の利用が極めて多いんだそう。南アに台湾系華僑、華人が多いためとされていますが、台湾系航空会社がカバーしきれていない台湾人のニーズをしっかりと取り込んでいます。

三つ目は、航空券が直行便より安い場合があり、会員ポイントも比較的貯めやすいこと。
当然のことなのですが、台湾でキャセイの航空券を購入すると必然的に海外発券になります。
香港から西のエリアについては、台湾からの直行便よりも安いまたは同等の運賃が提示されることがあります。またSNSのコミュニティーに「『高雄→香港→台北→東京』で移動すればお得かつ効率的にポイントが貯められる」といった情報が投稿されるなど、お得なポイントの貯め方が活発に議論されており、台湾からは修行がしやすいといったメリットもあるようです。
四つ目は、サービス面で情熱的過ぎず、かと言ってクール過ぎず、ちょうど良く感じるということ。
一般的なイメージで言えば、日系航空会社が丁寧できめ細やか、台湾系航空会社がアットホームでフレンドリーなのに対し、キャセイはサバサバしていて効率的。実際のところ、冷たそうに見えて、押さえるところはしっかりと押さえている絶妙な温度感が心地よいです。
これは、僕が英語が壊滅的にできないと言うことと、広東語もほんのちょびっと自分の言いたいことが話せるだけで会話はほとんどできない(恥)というハンデをもってしてもあえて利用したいと思えるくらいです。
あと、個人的に快適に思えるところは、横柄な日本人が少ないこともあると思います。横柄な中国人は多いんですけど。
台湾系航空会社と比較した場合のメリットもある

台湾でキャセイが一定数支持される理由の外的要因としては、チャイナエアラインが事故の多い危険な航空会社として長らく認識されていたことや2011年までアライアンスに加入していなかったことに加え、エバー航空も最近まで欧州、米国路線が弱かったことも影響していたのではないかと勝手に考えています。
Xにも書いたのですが、台湾人の知人は過去の事故を理由に「チャイナエアラインには乗らない」と断言しており、同社が2007年の那覇空港での炎上事故の後、重大なインシデントを起こしていないのにもかかわらず、マイナスイメージが今でも残っていることが伺えます。この知人はチャイナエアラインの子会社であるタイガーエア台湾には乗っているので、本当にイメージの問題なんですよね。
あと、やはり中国大陸への移動需要も大きそうです。春節期間のチャーター便として03年に始まった両岸直行便は09年に定期便化されていますが、路線、便数は限られており、依然キャセイを利用した香港乗り継ぎが支持を集めているようです。
とはいえ今後の展望は不透明
ここまでキャセイ好きとしてキャセイの台湾でのメリットや魅力を書き連ねたわけですが、将来的な展望は正直言って不透明です。
一番は両岸関係の悪化。台湾で中国政策を担当する大陸委員会は、乗り継ぎを含む香港への不要不急の渡航を避けるよう呼びかけています。現段階では強制力がないので、影響は限定的ですが、今後の情勢変化によっては、香港に渡航すること自体が大きなリスクになり、需要の減少から便数が削減される可能性もないとは言えません。
また以遠権を行使した路線が縮小傾向にあることも懸念です。キャセイのシンガポールーバンコク線が最近廃止になったのは記憶に新しいところですし、前述のようにコロナ禍で台北ー福岡、ソウル便が廃止されています。こちらは元々使いにくい時間帯での運航が原因だとは思いますが、今後の動向が気になります。
というのも、搭乗率が90%台と非常に好調な台北ー日本線ではありますが、LCCを含む熾烈な競争の中でどう戦っていくか、非常に難しい舵取りが迫られると思うのです。実際チャイナエアラインが経営方針の変更により長年日本人に親しまれていた成田ーホノルル線を廃止した例もあります。
スターラックス航空のワンワールド加盟も近い将来想定されることから、経営効率化の一環で台北ー日本線が廃止される可能性もないとは言えず、その際はキャセイ会員から足を洗うことも検討するかもしれません。
ただ、現段階では台湾でキャセイ会員で居続けることはやはりメリットがあるので、今後も乗り続けていきたいと思います。その都度搭乗記も出していく予定ですので、引き続きご愛顧いただければと思います。
弊ブログを通じて、台湾や香港、そしてキャセイの魅力が多くの人に伝われば幸いです。
それではまた次の旅でお会いしましょう。ごきげんよう。
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