介風見聞錄

台北に暮らす「介(すけ)」のあることないこと。

【ユニー航空】台北松山⇄金門尚義 エアバスA321型機搭乗記【台湾国内線】

介風見聞録にお越しいただき、有り難うございます。介(すけ)です。

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2022年9月、中華民国(台湾)の離島、金門へ2年ぶり2度目の旅行に行ってきました。前回はマンダリン(華信)航空のエンブラエル190型機とタイガーエア台湾(台湾虎航)のエアバスA320型機に乗ったのですが、今回はエバー(長栄)航空のグループ会社、ユニー(立栄)航空のエアバスA321型機に乗ってきたのでご報告します。

↓前回搭乗したエンブラエル190型機(現在は引退済み)に関する記事はこちらからどうぞ。

kennethqi.hatenablog.com

 

【悲報・乗り得座席の事前指定が不可に】

ユニー航空はターボプロップ機のATR72-600型機(70人乗り)とジェット機のA321(184人乗り)を運航しています。今回A321を選んだ理由は他でもありません。それは、元々俗に言う「乗り得座席」があったからです。

「乗り得座席」と言うのは、元々購入したクラスよりも上の座席に合法的に座れる席のこと。ユニー航空のA321は両岸直行便や短距離国際線でも使用される機材のため、前2列計8席がビジネスクラス用の座席になっているのですが、現在国内線にはビジネスクラスの設定がないためエコノミークラスとして開放され、搭乗日前日の0:00から可能な座席指定では、2列目4席分を選ぶことができると言うマニア垂涎の乗り得座席があったのです。

ですが!運悪く今年の夏休みシーズンから運用が変わり、前方2列と非常席座席の事前の座席指定が不可となりました。今回チェックインの時に厚かましくも「もう前2列の座席指定はできないんですよね?」と聞いたところ、「今は満員の時にアサインするんです」と答えてくれました。

ぐぬぬ。今回の旅行はこれを楽しみにわざわざマンダリンよりもチケット代の高いユニーを選んだのに、悔しすぎる。。。

とはいうものの、マニア目線で見れば、A321に乗る価値がなくなったわけではありません。

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A321のエコノミークラスのシートピッチは31インチ(ビジネスクラスは45インチ)で、台湾国内線で主力のATR72−600型機の30インチよりも若干広いのと、ジェット機で速度が速いため、ATRよりも10〜15分くらい所要時間が短縮できると言うメリットがあります。

デメリットは、座席配列が3−3なので必然的に真ん中の気まずい座席に座る可能性が出てくると言うことでしょうか。

まぁ、1時間以内の国内線でガタガタ言うなと言われてしまえばそれまでなのですが。

 

【台風が台湾に接近も、安定した飛行】

この日は中秋節の3連休が終わった翌日で、てっきり空いているのかなと思っていたら、まさかのほぼ満席。ちなみにビジネスクラス座席にはドアクローズ直前に搭乗してきた男性3人が着席しているのを確認しました。

セーフティデモは天井から出てくるモニターを使ったビデオ上映。エバー航空のものと共通でした。

シートポケットには安全のしおりとエチケット袋。機内誌は搭乗半券にQRコードが印字されていて、スマホやらタブレット端末で自分でダウンロードして見てねというスタンス。味気なく感じますが、エコや軽量化への配慮なんでしょうね。


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ちょうど台風が沖縄付近を北上していて、東部と北部は時折激しい雨に見舞われていたのですが、影響はほぼ受けずに安定した飛行となりました。

水平飛行に移って間も無くおしぼりの配布があり、その後ドリンクサービス。

揺れる恐れがあったからか、ホットコーヒーはなし。黒松の無糖緑茶と舒跑という運動飲料で有名な維他露のオレンジジュース、水の3種類から選べました。

ちなみに、マンダリン航空のERJ190に乗った時は、ホットコーヒー、ホットウーロン茶、オレンジジュースが選べ、今はなきファーイースタン(遠東)航空はホットウーロン茶と水が選べた上で、おかきが渡されたのと比べると、ユニーはそれの中間といったところ。ちなみにタイガーエア台湾は紙パックのジュース1択でした。

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澎湖上空でコップの回収が終わると、機長からのアナウンスがありました。時刻表では飛行時間は65分だったものの、実際には45分で到着するとのこと。

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ちなみにマンダリン航空やファーイースタン航空ではドリンクサービスの後に機内販売の時間がありましたが、ユニーはなし。ユニーはこれまでに台北–台東線を2往復と台北→澎湖線に1度乗っていますが、いずれも機内販売がなかったので、新型コロナの流行に関わらずそこまで力を入れていないことが分かります。

北西に向かって飛行していた機体が右に旋回すると金門尚義空港はもうすぐ。すでに秋らしくなっていた台北とは違い、夏がまだまだ続いてた快晴の金門に、スムーズに降り立ちました。

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【本島に戻る前にチェックしておきたい免税店】

さて、台湾本島に戻る前にチェックしておきたいのは免税店。台湾では金門、澎湖などの離島で免税ショッピングが可能です。日本でも沖縄だと特例により、国内にも関わらず免税で買い物ができるのと同じですね。

金門東側の金湖には大型の免税店があり、こちらで購入したものは空港に届けてくれるサービスがあります。もちろん空港の出発エリア内にも免税店があります。

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今回は友人にプレゼントしようと民国100周年を記念した高粱酒を購入。在台の方にとっては便利なサービスですね。

【台北行きは案外静か】

さて台湾へ戻る便もA321を選びました。ちょうど台湾本島に戻るツアー客が多く、こちらもほぼ満席。ビジネスクラスの座席には車いすでの移動が必要な高齢のご夫婦が着席されていました。

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離陸後間もなくしておしぼりとドリンクのサービス。今回は行きのソフトドリンクに加えてホットコーヒーもありました。こちらも澎湖を過ぎたくらいでカップを回収。

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台湾本島への便は、みなさんお疲れのせいか比較的静かな機内で落ち着いた雰囲気。明日から仕事という現実に向き合わなければいけない悲壮感も漂います。(←)

何度か松山着の飛行機に乗っていますが、この日は初めて空港の東側からアプローチ。友人が勤める内湖のオフィスビルを眺めながら着陸しました。

松山空港は17時台を過ぎると到着便が増えて混雑しますが、定刻16時30分着の搭乗機はスムーズにスポットイン。あと、前回の記事でも触れましたが、ジェット機だとボーディングブリッジを使い、悪天候の際も比較的快適に搭乗、降機ができるというのは、ささやかながらも嬉しいポイントでした。

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【台湾国内線の今後の展望】

あまり知られていないのですが、台湾の国内線で路線数が多いのはチャイナエアライン系のマンダリン航空ではなく、ユニー航空で、国内線でのシェアは6割に達しています。ただ今年はこれまでユニーが独占していた金門ー高雄線にマンダリンが参入してダブルトラック化。ユニーにとって新たな国内路線の新規開設が望めない中、どのようにマンダリンとの差別化を図っていくのか気になります。

そして、お家騒動により、エバー会長を退いてスターラックス航空を立ち上げた張国煒氏は今年4月にユニー航空の会長に就任したものの、9月になり辞任。スターラックスに専念する考えを示しました。スターラックスの国内線進出の可能性も取り沙汰される中、今後台湾の航空業界はどのように変化するのか、引き続き注視する必要がありそうです。

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