介風見聞錄

台北に暮らす「介(すけ)」のあることないこと。

【アテモヤ】台湾生活17年目にして初めて食べたら、超絶感動した件

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今年、台湾に興味のある日本の皆さんの間で話題になっている台湾フルーツといえば、そう、アテモヤ(鳳梨釋迦)です。

緑色で、ゴツゴツとしていながらも、バンレイシ(釈迦頭、釋迦)とは違って滑らかな外観に、白い果肉。そして、結構な存在感を醸し出す黒い大粒の種。インパクトの強さに、一度見たら忘れられないこと請け合いです。

ですが、実はワタクシ、台湾生活17年目になるのですが、今まで食べたことがありませんでした。

というか、アテモヤに限らず、もともと僕自身にあまり果物を食べる習慣がなかったんです。借家にキッチンがなく、包丁すらなく(昨年のコロナ禍でついに購入しましたが)、生ゴミを捨てるのがいちいち面倒なので、八百屋さんに行くことは今まで全くありませんでした。

しかしながら、これだけ話題になっている果物。しかも日本では冷凍しか食べられないというのであれば、やっぱり本場の台湾で生を食べたくなりますよね。あまつさえ台湾に暮らして、台湾の魅力を多くの人に伝えている立場なのにも関わらず、アテモヤを食べたことがないというのは、いささか面目が立たないという感情も芽生えてしまいました。

そこで、ついに八百屋さんでアテモヤを購入して、実際に食べてみました。

そしたら、想像以上の美味しさで、感動してしまったっていうことを、今日は皆さんにご紹介したいと思います。

【アテモヤについて知ろう】

まず今更ですが、台湾のアテモヤについての認識を深めてみましょう。

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アテモヤがバンレイシとチェリモヤを掛け合わせた品種というのは皆さんもご存知かと思いますが、行政院農業委員会の情報によると、台湾でアテモヤが栽培されるようになったのは1965年のこと。イスラエルから持ち込んだ品種を栽培し、7月から10月にかけて収穫したまでは良かったのですが、追熟の過程で裂けてしまい、高い糖度ゆえに裂けた場所にかびが生えてしまうという問題が露呈してしまったんだとか。

そこで台東の農業改良場が11月から3月に収穫できるような品種に改良。安定した追熟が可能となり、97年ごろから栽培が広がったんだそう。

全国の栽培面積は約5900ヘクタール。年間産出量は約6万4000トン。主要生産地は台東県。全体の88%が生産されていて、一部は台南、彰化でも生産されているんだとか。ちなみに中央社フォーカス台湾の情報では、昨年までは中国を中心に年間1万2000トン〜1万5000トンが海外輸出されていたようです。

【柔らかくなるまで楽しみに待つのが楽しい】

で、今回のアテモヤ、近所の八百屋で1斤(600グラム)49元で売っていました。ブンタンのような大きさのものを選び、1個79元で購入。

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日本の情報番組では、「高級品」として紹介されていたのをみましたが、確かにリンゴやグァバなどの果物に比べると高いものの、1斤でこの価格なら、ライチやカット済みのパイナップルともそんなに変わらない気がします。そして可食部が多いので、割高感はさほど感じません。

前述の通り、食べるためにはマンゴーと同様、追熟が必要です。購入した時点では、リンゴのような固さがありましたが、購入後約5日程度で、触ったら皮がずれてしまうほどまで柔らかくなりました。冷やして食べると美味しいということだったので、冷蔵庫で3時間冷却させました。

食べるためにはもちろんカットする訳ですが、手のひら程度の大きさの巨大な果肉が、果たして僕が持つ小さな果物ナイフで切ることができるのかと不安になったものの、実際に切ってみると、スルスルと驚くほど簡単に切れていきました。実感としては豆腐を切っているよう。僕みたいに普段箸よりも重いものを持たないような人間でも、全く力を入れることなく、ストレスフルでした。

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【斬新な食感と優しい甘さが半端ない】

では、実食です。

なんということでしょう。はんぺんのような、新鮮なイカのような、ナタデココのような、完全に初めて食べる、なんともいえない食感が、それにはありました。繊維質が多いマンゴーやパイナップルのような果物とも全く違う、しっとりと、そして少しばかり弾力のある食べ応えが非常に斬新です。

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味はすっきりとした爽やかな甘さが後を引きます。若干パイナップルのような風味がしますが、全体的に優しい味。あと、追熟して少しだけドロドロになっている感じがドリアンにも似ているのですが、臭みがないので、本当に食べやすい。噛む力が弱い方にもぴったりだと思います。

くどくないので、次から次へと手が動き、あっという間に半分を平らげてしまいました。こんな美味しいもの、なんで今まで食べてこなかったんだろう。。。

 

ちなみに、これを書いている時点で、台湾ではシーズンが過ぎ、八百屋でもスーパーでもアテモヤの姿を見ることはほとんどできなくなってしまいました。

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ですが、日本に輸出されるアテモヤは、追熟させた上で冷凍されているので、これからの季節でもまだまだ食べられるチャンスがあります。というか、台湾でも追熟させた上で凍らせておけばいいんですね。

今後日本でどれだけ受け入れられるのか未知数ですが、僕はハマりました。すでに来年が待ち遠しいです。数多くの果物が生産されるフルーツ王国の台湾。やっぱり台湾に住んでいるからは、台湾でしか食べられない果物は積極的に食べていくべきだなと思いました。

まだ未経験の方、ぜひとも見つけて食べてみてくださいね。

 

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