介風見聞錄

台北に暮らす「介(すけ)」のあることないこと。

【崎陽軒】オープンから3カ月、「率直に」シウマイ弁当の感想を語ってみた

介風見聞録にお越しいただき、有り難うございます。介(すけ)です。

f:id:KennethQi:20201213192045j:image

台湾鉄路台北駅の1階に今年8月、横浜の崎陽軒のお弁当屋さんができました。オープン直後には日台双方のメディアに取り上げられ、行列ができる盛況ぶりが伝えられたのも記憶に新しいところです。オープンから3カ月経った12月、僕もやっと食べることができたのでその感想を「率直に」お伝えしたいと思います。

お断り:内容はあくまでも個人の感想です。

【僕にとっても思い出の味、崎陽軒のシウマイ】

崎陽軒台湾進出のニュースを受け、盛り上がったのは在台日本人のツイッター。横浜のお店なので崎陽軒のシウマイに思い入れがあるのは関東圏の人だけだと思っていたのですが、意外なことに、僕の知り合いの関西人、中京人にも食べたことがあったり思い入れのある人がいたようで、まさに崎陽軒恐るべし。

崎陽軒への思いれがあるのは僕も例外ではなく、子供のころ、母方の祖母が遊びに来る時、お赤飯かシウマイを買ってくるのが恒例で、それを楽しみにしていた記憶があります。当時、そのシウマイが崎陽軒のものだったことは全く知らなかったし、それがどこのものか意識すらしていなかったのですが、家にコレクションされていくヒョウタンのしょうゆ入れが大人になってやっと崎陽軒のだったということに気づき、あの美味しいシウマイは崎陽軒のものだったことを知りました。

で、僕も期待をしていた崎陽軒のお弁当。ただ、なかなか食事時に台北駅を通りかかることがなく、結局オープンから3カ月も経った12月13日に台北駅の近くで用事があり、やっとこさ訪問となりました。

【並ばずに買えた、175元の冷えたシウマイ弁当】

f:id:KennethQi:20201213191918j:image

崎陽軒があるのは台北駅1階の北側。新光三越のある南側から入ったら、切符売り場を抜け、旅行代理店のカウンターや台南ハヤシ百貨のサテライト店舗を抜けた、モスバーガーのあるあたり。

僕が訪れた土曜日の午後5時は、夕食としてはちょっと早い時間ではあるのですが、直前に通りかかった台鉄弁当のお店では、ちょうどセントラルキッチンから運ばれてきた出来立ての駅弁がまさに山積みになってお客さんを今か今かと待ち構えている状態でした。とはいえ、駅にはたくさんの人で賑わっていたものの、お弁当を買うための行列は皆無。
f:id:KennethQi:20201213191946j:image

そしてやってきた崎陽軒。こちらも行列はなく、陳列されていたのはこちらの商品たち。

f:id:KennethQi:20201213191940j:image

看板メニューであるシウマイ弁当は一つ175元。

えぇ、175元です。

やっぱりですね、とってもいい値段なんですよ。台鉄弁当なんて一番安いスペアリブ弁当「台鐵傳統排骨便當」は60元。一番人気のスペアリブ弁当「台鐵排骨八角木片盒便當」でも 80元。以前台鉄の担当者さんにお話を聞いたところ、100元の弁当も一定の需要はあるものの、人気はぐっと落ちてしまうと言ってらっしゃったのを思い出しました。崎陽軒も台湾進出に先駆けてきちんとリサーチしたと思うのですが、この値段で出せるというのは本当に大きな決断だと思います。

僕の好きなケンタッキーのチキン2ピースとドリンク、フライドポテトのセットだって150元。崎陽軒のシウマイ弁当はそれよりもさらに高いんです。日常的に食べるものではなく、なにか特別な日に食べるお弁当といった感じですね。

で、実際に店頭でお弁当を手にして感じたこと。

「、、、冷たい」

多分食事の時間帯直前だったからたまたま冷たいのしか残っていなかったのだと思います。そして、崎陽軒のシウマイが「冷えてもおいしい」ということは僕も重々承知しています。けど、台湾市場向けにあったかいのを提供するんじゃなかったっけ?

台湾で暮らして長くなると、冷えひえのお弁当というのはよほどのことがないと食べる機会がなく、思わず「この容器は電鍋で温められますか?」って聞いちゃいました。

で、店員さんの回答は「できます。でも、当日召し上がるならそのままで大丈夫です」とのこと。

実は、僕が購入した際、その真横でシウマイが蒸されていて、熱々のものがまさに準備されているタイミングだったんです。確実に僕の行った時間が悪かったんですね。ただ、台湾市場向けに熱々を売りにしているのであれば、日本の持ち帰り弁当のように注文が入ってから加熱調理したり、炊飯器からご飯をよそって提供したりすることも可能だったのではないかと思ってしまいました。

まぁ、僕の場合は台北駅からMRTで40分かかる郊外に住んでいるので食べる頃にはどんなに熱々を買っても冷め切ってしまうのですが(←

でも、購入直後に電車に乗って食べたいといったお客さんでも、時間帯によって熱々が食べられないってちょっと残念。台北駅の地下にセントラルキッチンがあり、比較的どの時間でも暖かいものが食べられるように工夫されていて、お値段も非常にリーズナブルな台鉄弁当とは大きな違いを感じてしまいました。

【日本のお弁当らしい間違いない美味しさ。でも、、、】

ちょっとだけ出鼻をくじかれた感が若干漂うものの、実食と行きましょう。散々「冷えひえだ」といいましたが、台湾人の店員さんがそのままでいいと言ったので、それを信じてそのままでいただきました。

全体の印象からすると、見た目は完全に日本のお弁当。懐かしさすら感じられます。ただ、台湾のお弁当と比較すると明らかに小ぶり。「うん、これで175元ね。いや、美味しいんだよ、絶対」と自分を半ば説得しながら、箸を手に取りました。

まずはご飯。カリカリ梅が中央に鎮座するいわゆる日の丸弁当ですが、これは台湾ではなかなか見られないビジュアル。日本人としてちょっとテンションが上がります。ご飯自体はぎっしり詰まっていたものの、一粒一粒がしっかりしていて、噛めばモチモチ。カリカリ梅も日本と全くといっていいほど同じ味。滷肉飯の付け合わせのたくあんを日本と同じイメージで食べると全く違う味でがっかりするようなこともなく、美味しくいただきました。

f:id:KennethQi:20201213192122j:image

続いて、シウマイ。シウマイ弁当の中には3つ入っていて、しょうゆとカラシをつけていただきます。元々は広東料理である燒賣を日本風にアレンジした崎陽軒のシウマイ。今回日本から満を持して台湾に進出した気になるお味はいかほどなのか、期待が高まります。

 

「美味しいけど、、、台湾でも飲茶とかで食べれそうな味じゃね?というか、夜市にある港點(港式點心)を売る屋台にも、もち米団子の中に豚肉が入ったやつで似たようなのあるよね」

 

そうなんです。崎陽軒の売りとも言えるシウマイが、まさかのあたりさわりのないお味に感じられてしまいました。いや、普通に美味しいんです。僕の記憶の中にあるシウマイの味となんら違いはなかったんです。でもね、、、なんか、事前の期待値を勝手に上げすぎしてしまったのかどうかは分かりませんが、正直、驚きと感動はなかったです。

f:id:KennethQi:20201213192540j:image

そんな中で意外だったのは、1個だけ入っている唐揚げが美味しかったこと。皮はシナシナながらもしっかりと味がついていてグッド。厚みがあるのも食べ応えがあります。そして中もモキュモキュした弾力のある歯ごたえが病みつきになりそうな感じ。台湾にも日本式の唐揚げがありますが、味、食感、どちらも崎陽軒独自のもので、これ、唐揚げをメインに唐揚げ弁当を売った方がいいんじゃないの?と思えるレベル。

あとは、コリコリの歯ごたえがたまらない筍の煮付けと、卵焼きと、かまぼこ。あと、本当に申し訳程度の紅生姜と昆布の佃煮が付け合わせとして入っていました(別の方が書いたブログを拝見すると、その人が食べた弁当の紅生姜と昆布はもうちょっと量があったのですが、僕のはほんのちょびっと)。このラインナップも台湾のお弁当にはない組み合わせな気がして、「ザ・ジャパニーズ・ベントー」といった独自性を感じられましたよ。

繰り返しになりますが、個人的に感動できた点は、カリカリ梅と唐揚げ。シウマイどこ行った?

【正直言って、台湾人に自信を持ってオススメできない】

ネガティブな感想が多くなってしまい、不愉快に思われた方もいるかもしれません。ここでお詫び申し上げます。

崎陽軒の方々、それに関係する方々のための名誉のために言いますと、シウマイ弁当の味だけでいえば、日本のお弁当そのままの味でとっても美味しかったです。持ち帰る時でも懐かしい記憶が蘇ってきてワクワクしたりと、崎陽軒のシウマイを食べたことのある人なら、味だけでなく、崎陽軒ブランドにまつわる色々な思いが重なって、楽しい食事体験となること請け合いです。

ただですね、このシウマイ弁当を、台湾の友人にオススメできるかというと、話は別です。

日本でポピュラーなお弁当なんだよといっても、場合によっては冷めているし、しかも、メインがシウマイで日本式中華。安定の美味しさだけれど、目新しさがなく、で、台湾の弁当よりも小ぶりで175元。「美味しいから一緒に買って食べよう」とはいえないです。

そもそも台北駅の各所には1日に1万食を売り上げる台鉄弁当が台湾人の胃袋をしっかりとつかんでいるし、すでに別のお弁当屋さんもたくさんあります。さらに台北駅の2階のフードコートに行けば、300元以上の値段はしますが、熱々の出来立て日本料理が食べられるレストランばかり。

そんな中で、わざわざ崎陽軒のシウマイ弁当を台湾人にオススメする理由が出てきません。もちろん、台湾にも老舗ホテルや有名レストランなどが販売する1食200元前後、もしくはそれ以上の高級弁当はありますが、台湾人の間で知名度が高いとはいえない崎陽軒がそれと真っ向勝負して勝算があるのか甚だ疑問です。非常に申し訳ないですが、僕は2度目はありません。

ただ、在台日本人や日本留学組で崎陽軒への思い入れがある人なら、日本を手軽に感じることができ、思い出に浸れるお弁当だと思います。

崎陽軒さん、ぜひ頑張ってください。

 

↓お弁当関連ではこちらのお店についてもどうぞ

kennethqi.hatenablog.com

↓ツイッターやってます

twitter.com