介風見聞錄

台北に暮らす「介(すけ)」のあることないこと。

【梁社漢排骨】最近破竹の勢いで積極展開している排骨飯レストラン

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なんだか最近「梁社漢排骨」というお店が急速に増えていて、僕の住む文山区にも店舗ができたので早速試してみました。

【マカオ出身のシェフが手がけた排骨飯のお店】

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排骨飯といえば、最近は日本でもパイコー飯という名称で広まっていますが、豚スペアリブをご飯にのせた、台湾を代表する料理の一つ。台湾鉄道が販売している弁当が有名ですよね。

で、この「梁社漢排骨」とは何者なのか。そもそも「梁社漢」とは誰なのか。オフィシャルサイトで調べてみると、この梁社漢はマカオ出身の有名シェフなんだそう。台湾人の奥様をもち、かつてはシェラトン(喜來登飯店)やパレ・デ・シン・ホテル(台北君品酒店)、フロー・デ・シン・ホテル(雲品溫泉酒店)など高級ホテルのメインシェフとしても活躍していたんだとか。そして、2016年と19年には「両岸十大名廚」の一人に輝いているらしいのです。

なので梁社漢排骨のウリは、「台湾の伝統料理と広東料理のテクニックの融合」なんだとか。

ちなみにこの「両岸十大名廚」とはなんぞや?と思って調べたところ、中華兩岸海峽餐飲連鎖經營協會という団体が主催している兩岸美食文化交流論壇というフォーラムで選出された台湾と中国で秀でたシェフ10人のこと。ただ、このフォーラムが結構謎で、2019年の時点で第9回目の開催となるのですが、関連のニュース記事は出てくるものの、オフィシャルが発表したと思われるニュースリリースをそのまま転載している内容なほか、このフォーラムや主催協会のウェブサイトなども見つからず、どこまで権威のあるものなのかはぶっちゃけよくわかりません。

ただ、このお店、餃子チェーンの「八方雲集」が経営しているお店なんです。中国時報の報道によると、現在台北から高雄まで西部に59店舗展開しているんだとか。八方雲集は全国に990店舗もあるそうなので、この経営ノウハウを生かしていると考えれば、急速な店舗拡大も納得がいきます。蛇足ですが、朝ごはん屋さんの「麥味登」もこの八方雲集グループなんだそうです。

【ファーストフードのような明るく清潔なお店】

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普段排骨飯は個人経営のなんの変哲も無い食堂で食べることが多いので、店構えや内装なんて気にしたことはなかったのですが、梁社漢は白を基調にしていて、とにかく明るい印象でした。午後6時30分ごろのご飯時に行ったのですが、ほぼ満席でテイクアウトもそれなりに盛況。今回はテイクアウトにしました。

注文は有人レジ1台のほか、マックやモスバーガーなどで目にする液晶タッチパネルも数台設置。クレカ以外にLINEpayや悠遊卡での決済が可能でした。

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メニューなのですが、看板商品の排骨飯はタレに漬けて揚げた「炸排骨」と、タレで煮込んだ「滷排骨」が選べます。こちらは個人の好みなのですが、今回は「炸排骨」をチョイス。ご飯ではなくて、「黃麵」と呼ばれる油そばのような麺に変更することもできます。

で、肝心のお値段は110元!

結構いいお値段です。台鉄弁当の排骨飯は一番安くて60元、一番人気が80元だというので、強気の値段設定と言えるのではないでしょうか。物価の上昇で、近年は一食100元を超えるお弁当は少なくないですが、個人的にはかなり勇気のいるお値段であります。

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そのほかのメニューは角煮の焢肉飯は65元、塩胡椒で味をつけたフライドクリスピーチキンの椒鹽雞塊飯は80元、紅麹で味と色をつけた豚の焼肉の炸紅槽肉飯は90元なので、選択肢は豊富です。味噌汁は特別価格15元。今回は頼みませんでしたが、次ぎは試してみたいと思います。

【独特の甘い味付けは賛否が分かれそう】

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では実食と参りましょう。揚げたスペアリブはご飯とは別に袋に入れてくれました。

おかずは、キャベツの炒め物、切り干し大根の菜脯、豆腐とセロリと人参の和え物、春雨、コーン。味付けはいたって普通ですが、品数がよくあるお弁当屋さんの3品より多いのはちょっと嬉しいです。

ちょっと残念だったのはご飯を食べようと箸を差し込んだ時に、すぐ容器の底についてしまい、

「少なっ!!!」

と思ったこと。人によっては物足りなく感じるかもしれません。

そして本命のスペアリブですが、

「え?ハチミツに漬けたりした?」

とも思える独特の強い甘みと風味が漂いました。ほかのお店ではあまり食べたことがない味で非常に個性的。好き嫌いが分かれる味かもしれないなぁと思いました。ただ、この味にハマったら通いつめたくなる気も。僕個人では、家から近かったら普通にリピートできる。けど、わざわざ電車に乗ったり、スクーターに乗って少し離れたお店に行きたいかと言われたらちょっと、、、という感じ。でも、逆に日常使いができるお店なのかなと思いました。

 

極論を言ってしまうと、同じく排骨飯をメインとする老舗チェーン店「君悅排骨」のグレードアップ版といった印象。でもお店全体を通して伝わって来る効率の良さを求めた感じはこれまでの八方雲集で培ったシステムを活用しているのかなと思えました。

中国語がわからなかったり、そもそも台湾初心者の日本人観光客でも利用しやすそうな感じがしました。ただ、この急速な店舗の拡大は、エッグタルトや鮮芋仙の仙草,清玉の翡翠檸檬のように、ブームとなった後、急速に衰退していったお店を連想させるフラグでもあります。

どれだけ市民に愛される味に成長できるのか、今後の発展に注目です。

 

梁社漢排骨ウェブサイト:https://www.buygood.com.tw