介風見聞錄

台北に暮らす「介(すけ)」のあることないこと。

【點水樓】カニと季節の野菜がたくさんの秋限定メニューが出ました

介風見聞録にお越しいただき、有り難うございます。介(すけ)です。

江南料理や小籠包などで知られるレストラン「点水楼」広報の方のお招きを受け、忠孝復興駅からすぐの復興SOGO11階にある復興店で秋限定メニューを頂いてきました。その美味しさをご紹介します。

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【江南料理とは……】

東京にも支店を持つ点水楼。ここで提供される料理は中国料理の中の「江南料理」と呼ばれるものです。あまり聞きなれない料理名ですが、簡単に言うと、長江下流域の南側一帯である、蘇州、上海、杭州などで食べられる料理のことです。小籠包は上海料理がルーツになっているのは皆さんもご存知かと思います。この上海料理は江南料理をさらに細分化した際の一派と考えていいでしょう。

ちなみに、今回訪れた復興店は、SOGO復興店の中にありMRT忠孝復興駅直結。悪天候でも便利なのが便利です。また、天井がとても高く、開放感あふれる空間になっているのも快適。そして窓側の席であれば、台北市北部の眺望も楽しめます。確実に窓側の席に座りたいという方は予約時に希望してくださいね。

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【カニや季節の野菜が食べられます】

季節限定のメニューは2人前から10人前まで。価格は2,080〜22,800元(別途10%のサービス料がかかります。)今回は6人前の「花雕膏蟹六人合餐」(6,380元)をオーダーしました。今回のメニューの特徴は、カニと台湾の季節の野菜が楽しめること。秋の味覚をしっかりと味わえるのがいいですね。

【紫蘇梅桂花芋頭地瓜】

まずは前菜。梅紫蘇とキンモクセイで色付け、風味付けされたサツマイモです。紅芋かと思いましたがサツマイモなんです。しっかりと紫に染まっています。食べてみると、しっとりとしていてしっかり甘く、そして香ばしい。てっきり食後のデザートかと思ったほどですが、広報さん曰く「サツマイモはデザート扱いじゃないのよ」とのこと。あくまでも前菜なんだそうです。

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【胡麻拌茄肉】

皮をむいたナスを湯がいて冷ました後、ゴマドレッシングをかけた一品。みずみずしくフルーティーで、やはり何かの果物を食べているような優しい味。繊維質のある舌触りもするのですが、実際に噛んでみるとすぐとろけてしまいました。ゴマドレッシングの香ばしさもグッド。

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【蟹皇小籠包】

点水楼の名物、小籠包。この今回のメニューではカニみそ小籠包が食べられます。カニみそ小籠包自体はどこのお店でもよくあるメニューですが、こちらはクリーミーでまろやか。口いっぱいに贅沢なカニの風味が広がりました。お好みで生姜を合わせて食べてもいいのですが、個人的にはそのまま、タレもつけずに頂くのが良かったです。

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【蔥油餅】

中国料理を代表する「粉もの」である葱油餅。フワフワでモチモチ食感がたまりません。また、表面を油で揚げるように焼いているのでカリカリなのも面白いです。葱の香りも香ばしく、ご飯や麺の代わりになります。

【蔥燒蝦仁】

小ぶりのエビと葱を炒めて甘しょっぱいあんかけをかけた一品。プリプリのエビはこれでもかというくらい大量に入っているほか、葱もシャキシャキで満足度高め。比較的薄味の葱油餅と一緒に食べるがいいかもしれません。

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【花雕蒸膏蟹】

ワタリガニの一種であるノコギリガザミで、その中でも中国語で「紅蟳」と呼ばれる品種と卵豆腐に紹興酒のあんかけをかけた豪華なカニ料理。非常に香ばしいだけでなく、紅蟳は濃厚なカニみそとカニの卵がたっぷりで食べ応えがありましたよ。

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【沙公(椒鹽)2,980元】

別途単品で頼んだメニューです。蒸しあげたノコギリガザミ(中国語では「沙公」)をさらに油に通し、塩胡椒をかけたシンプルなもの。そういえば、日本でカニを食べる時はボイルすることが多い気がしますが、こちらは蒸しているので、実がホロホロで、ほぐしやすいです。ちなみに、広報さんの情報では紅蟳はカニみそや卵が多く、沙公は実が多いのが特徴なんだとか。料理によって使い分けているのが心憎い配慮です。

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【墨魚芋頭燒肉】

タロ芋と豚肉の角煮のイカスミ風味。イカスミというと自己主張が強くて、ほかの食材の味を覆い隠してしまいそうな勝手なイメージを抱いていたのですが、こちらは先にタロ芋と豚肉の美味しさがしっかり残り、後からイカスミの香りが漂いました。イカスミも生臭さなどはなく、逆に豚肉の油っぽさを絶妙に中和してくれ、さっぱりとさせている印象を受けました。初めて食べる味でしたが、イカスミのポテンシャルを感じる美味しさでしたよ。

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【酥炸翼豆】

翼豆というのは沖縄や小笠原でも栽培される「シカクマメ」という野菜。台湾では東部に暮らす原住民が食べる野草の一種で、一般的な食材ではなかったようなのですが、最近になり安定して仕入れることができるようになったので天ぷらとして提供しているそう。少しだけ苦味がありますが、肉厚でしっかりとした歯ごたえが楽しく、もりもり食べられました。

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【砂鍋醃篤鮮】

ベーコン、タケノコ、チンゲン菜などが入った醃篤鮮は、江南を代表する郷土料理のひとつ。乳白色の豚骨スープは濃厚ながらも油っぽさや独特の臭みがなく非常にすっきり。ベーコンやタケノコは厚切りでボリューム満点で、スタミナがつきそうな一品でした。

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【金沙茭白筍 675元】

新北市北部の三芝産マコモにアヒルの卵の塩漬けを絡めて炒めた金沙茭白筍も別途単品オーダー。台湾で生産されるマコモの8割は中部の埔里で栽培されているのですが、こちらでは三芝産のをあえて使用。三芝の水質がよく、埔里産と旬の時期が違っていることからだそう。大量の油で炒めているので、コリコリ感があり、程よい塩加減が食欲をかき立ててくれました。

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【酥炸花蓮壽豐鄉黑糯米年糕】

黒もち米を使ったお餅をさらに揚げたデザートです。こしあんのような色合いと甘さでありながら、外皮のサクサク感とモチモチ食感がベストマッチ!見るだけでわかるカロリーの高さが玉に瑕ですが、この美味しさは食べなきゃ損!お持ち帰りせず、熱々のまま頂いてください。

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【杏仁豆腐 180元】

日本人が大好きな杏仁豆腐。といっても、寒天が入ったゼリーのようなプルプルなものではなく、パンナコッタのような豆腐のようなしっとり系の本物の杏仁豆腐。添加物も入れておらず、シェフのこだわりを感じます。ほのかな優しい舌触りもさることながら、アーモンドの香りもほのかに漂い、お腹がいっぱいでも別腹に消えていく魅惑の美味しさを感じましたよ。

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 相変わらず美味しい点水楼の料理の数々。秋メニューは食材が入手できなくなったら終了ということで興味のある方はぜひともお早めにどうぞ!

また、10月30日までは中国近代文学作家・張愛玲の数奇な運命をイメージした10人前の限定セットメニューも提供していますので、合わせてお問い合わせください。

 

點水樓 復興店

台北市大安區忠孝東路三段300號11樓

(02)8772-5089

11:00〜22:00(L.O.21:00)

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